【住宅ローン】土地と建物でローンはまとめられる?つなぎ融資とは?

住宅ローン

土地から購入し、新しく家を建てる場合、「住宅ローンはどうなるの? まとめられるの?」と疑問に思う方もおられることでしょう。また、「頭金0、自己資金ゼロで家づくりがしたい」と考えている方もいると思います。今回は、“注文住宅の代金支払いの流れ”を解説しながら、そのような疑問を解消していきます。


注文住宅は、家が完成する前に複数回の支払いが発生する

「えっ? そうなの?」と思われたかも知れません。注文住宅の場合、引き渡し時に一気に全額を支払うのではなく、何度かのタイミングに分けて支払う(中間金と呼びます)必要があるのです。ハウスメーカーにもよりますが、一般的なケースでいうと、「契約時(建物代金の25%)」「着工時(同25%)」、「上棟時(同25%)」、「完成時(同25%)」となります。

そうでありながら、住宅ローンが実行されるのは、あくまでも家が完成した後。さらに土地購入から始める場合は、土地売買契約を工事着工よりも先に行うことになりますから、同様に「土地売買契約時には手付金(売買価格の5~10%)」を、土地引き渡し時には、「残金(売買価格-手付金)」をすべて支払わなければなりません。

つまり、「あらかじめ、ある程度まとまったお金が必要になる」ということなのです。

「そんなの無理!」と思われた方。まだ諦めるのは早いですよ。そこまで手持ち資金にゆとりがないという方には、ちゃんと解決策があります。


解決策その1:住宅ローンを2本組む

土地から購入して注文住宅を建てる場合、「土地代金と建物代金を、それぞれ一つずつ住宅ローンを組む(住宅ローンの2本立て)」という方法があります。こうすれば多額の自己資金を用意しなくても、注文住宅のマイホームが手にできるのです。

ただし、これですべてが解決したわけではありません。前述のように、この場合でも「引き渡し時に融資(ローン)実行」となりますから、「土地売買契約時の手付金」と「建物工事中間金」は自己資金として用意しなくてはならないのです。


解決策その2:つなぎ融資を行う

残念ながら、「土地売買契約時の手付金」は自己資金から用意するしかありません。つまり注文住宅の場合、「頭金0、自己資金ゼロ」では建てられないのです。

しかし、「建物工事中間金」については、「つなぎ融資」という仕組みを利用することで問題解決を図ることができます。もちろんつなぎ融資にも金利がかかり、一般的な住宅ローン金利よりも高めですが、完成までの間ですから、そこまで大きな負担にはならないでしょう(金融機関によっては別途手数料や保険加入の必要あり)。完成時には2本目の住宅ローンが実行されて、つなぎ融資を完済することになります。

ちなみに金融機関によっては、建物完成前から住宅ローンを分割実行してくれるところもあります。その場合は審査条件が厳しくなりますが、比較検討してみるのもいいでしょう。


まとめ

これで冒頭のような住宅ローンへの疑問が解消されたと思います。もう一度まとめると、

  • 注文住宅は、完成前に中間金が発生する
  • 土地から購入の場合、さらに前倒しの支払いが発生する
  • 住宅ローンを2本立てにして解決
  • 自己資金が少ない場合、つなぎ融資で対応
  • 土地売買契約時の手付金は、自己資金で賄う必要がある(頭金・自己資金0では建てられない)

住宅ローンには審査がありますし、2本立ての場合、手続きもより煩雑になります。住宅資金で困らないためには、土地探しを始めると同時にパートナーとなるハウスメーカーを選定し、専門的なアドバイスをもらうことが重要となります。