日本における家づくりにおいて、特に内観は「白」をベースに空間デザインを設えるケースが中心です。白は明るさを生み、どんな色とも親和性が高く、落ち着きももたらしてくれる色ですから、壁の色を白にしたいと思うのはよく分かります。でも、すべてが白だと無機質で味気ない印象になってしまうのも事実。そこでおススメしたいのが「アクセントウォール」。壁の一部の設えを変え、空間にアクセントと彩りを加えるアイデアです。では、それら「アクセントウォール」の使い方事例を見ていきましょう。
目次
1.リビングでのアクセントウォールの使い方
壁紙(クロス)を大胆な配色や絵柄にする
壁の一部の色を変え、空間にアクセントを加える方法です。この場合、赤や青といった「ビビッド」な色合いのほうがメリハリがつき、生命感あふれる空間に仕上がります。こういった色使い、アクセントウォールは、欧米人に人気があります。海外の住宅のようなお洒落さに憧れる方は、採用してはいかがでしょう。
珪藻土を用いて、デザイン性と機能性をアップさせる
壁の一部に珪藻土を用いる手法は、主に2つの効果が期待できます。一つ目は、塗り壁独特の質感が出ること。微妙な凹凸が陰影を生み出し、しっとりとした雰囲気を醸し出してくれます。二つ目は、珪藻土が持つ調湿・消臭効果が得られること。室内の空気がきれいになり、快適さが増します。また珪藻土は漆喰と比べ、顔料を混ぜることで豊富なカラーラインナップを有しており、部屋の雰囲気に合わせたコーディネートが可能です。
タイルを用いることで高級感が増す
壁にタイルを用いると空間に高級感が生まれます。ご存じの通り、タイルには色や質感、大きさなど、実にさまざまなバリエーションがあり、それによって部屋の雰囲気を大きく変化させることができます。ご自身のこだわりやセンスを存分に発揮することができる素材なので、オリジナリティ豊かな住まいを実現したい人には、打ってつけと言えるでしょう。
2.和室で用いると、モダンな雰囲気が生まれる
間仕切り壁にアクセントを持たせる
和室といえば、そこを仕切るのは紙や土といった日本古来から用いられる自然素材。今は土壁を採用する住まいは多くありませんが、襖や障子、また木質感のある素材で仕切るというのが一般的です。つまりは「アースカラー」でまとめるわけですが、それを鮮やかな色に仕立てることでモダンさがぐっと増していきます。現在の住まいは洋風なデザインが中心ですので、そこにしっくりと馴染む和室にしたい方におススメの手法です。
床の間の壁をアクセントウォールに仕立てる
床の間といえば、純和風なイメージがありますが、そこの壁を思い切ってアクセントウォールにすれば、和室の印象が一気に変化します。壁紙を西洋風の鳥や花などの図柄にすれば、アールヌーボーな雰囲気になりますし、シノワズリのようなオリエンタルな空間に仕上げることも可能に。またモザイクタイルを用いれば、一気に華やかに、モダンに仕上がります。床の間には掛け軸、生け花、壺といった固定概念がいい意味で崩れ、西洋アンティークや絵画などを飾ってもお洒落に似合う空間に変身することでしょう。
3.寝室にアクセントウォールを用いればホテルライクになる
木目調で安らぎを演出
寝室は、リラックスできるのが第一条件。心も体もやすらぐ空間に仕上げるための一つの方法に、木質感を多くすることがあります。目に入りやすい壁や顔までの距離が短いベッドヘッド側の壁に木を張ると、視界的にも気持ちがいいですし、呼吸することで香りを感じることもできます。
間仕切り壁にアクセントをつけることで、より上質な空間に
ベッドの裏側をウォークインクローゼットとして設計する場合、そこを隠す意味において間仕切り壁を設けることになります。その壁をアクセントウォールにすれば、ホテルライクな印象に仕上がり、上質な空間へと昇華します。
4.子ども部屋は、成長する過程での張替えもイメージしておく
大胆な絵柄を用いることで、楽しい雰囲気に
子ども部屋は、子どもたちが大喜びするような楽しい雰囲気に仕上げたいものです。そこでおススメなのが、大胆な絵柄を壁の一部に取り入れること。細かな絵柄よりも、大きめのもののほうが、空間を楽しげにしてくれます。ただし、壁全面に施すと落ち着きがなくなるので要注意。また、年齢を重ねるごとにお子様の趣味・嗜好も変わるため、気軽に張り替えられる壁紙タイプで彩ることをおススメします。
5.玄関は、訪れるゲストにセンスを知らしめる大切な場所
用いる素材や図柄によって印象は大きく異なる
玄関の扉を開けると目に飛び込んでくるアクセントウォールは、訪れる人の第一印象を決めるもの。住まう人のセンスを伝える、絶好の表現場所と言えるでしょう。高級感を出したい方はタイルや石を用いて。壁紙の場合なら、西洋風の図柄や唐紙などを採用するといいでしょう。ポップな仕上がりにしたい方は、ビビッドな色を採用するのも一つの手。そこに照明を当てて演出するのも素敵です。ガラス素材や一部をステンドグラスにするなどのコーディネートも楽しいと思います。
6.洗面所やトイレの壁を華やかにすれば、その日がさらに楽しくなる
低コストでチャレンジできるメリットあり
パウダールームやトイレの壁を飾ることは、意外と忘れがち。でも、壁の面積は広くないため、比較的低コストで彩ることができるので、ぜひおススメしたいです。空間が華やかになれば、朝の身支度をしているときも気分が晴れやかになります。トイレも「一つの部屋」として感じることができ、住まい全体に愛着が増していきます。
まとめ
もちろん住まい全体の壁を彩るという方法もあります。でも、その場合はどうしてもコストがアップしてしまいますし、実力のあるインテリアコーディネーターと相談しながらでないと、華やかさと落ち着きのバランスが取れた住まいに仕上げるのはとても難しくなります。その点、壁の一部を彩るアクセントウォールなら気軽に検討できますし、空間に素敵な彩りを加えることができます。ぜひ検討してみてください。