わが家を魅力的に引き立たせる庭&エクステリアづくり/住友林業

住友林業

建物と庭・外構をトータルに考えることが大切

住友林業の関連会社、住友林業緑化で造園・エクステリアの営業・設計・施工管理に携わる岡野和義さん。実家が造園業を営んでおり、自然とその分野に関心が向いたそうです。「大学では環境情報学を専攻し、ランドスケープから建築まで幅広く学びました。学業の傍ら実家の仕事を手伝うこともあり、木を植え、生垣をつくることで、建物そのものの印象が見違えることに驚きを覚えました」。

同社に入社して9年目、住友林業が施工する家の造園、外構などエクステリア全般を手掛ける岡野さん。「建物の外側、敷地の境界線まではすべて私たちの仕事」と語ります。「造園・エクステリアの設計は、建物とのバランスを考える必要があります。さらに、周辺環境、日当たりや通風、室内から見た時の印象など、複合的な要素をトータルに考慮しつつ設計します」。また、緑は生き物ですから、先々どのように育っていくかという、長期的な視点も欠かせないといいます。

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住友林業 岡野 和義さん
「樹木を適切に植えることで、夏の日差しを遮ったり、地表面からの熱を抑えることができ、
家の住み心地を快適にできます。庭の設計と家の設計は不可分なものです」

今回、取材で訪れた住友林業 駒沢第二展示場の造園・エクステリアも、岡野さんが手掛けたもの。深い軒の出が印象的な和の佇まいの外観に、緑が美しく融合しています。「玄関の脇や、軒の端に高めの木があると外観の印象が引き締まります。端正な外観に寄り添う、繊細な雰囲気のアオダモなどを配しました」。

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和の外観を引き立てる植栽。高さの異なる木をバランスよく植え、足元にも低木を配しています (住友林業 駒沢第二展示場)

居間からつづく庭も見どころ。「軒の出と三和土(たたき)の奥行きを揃えて、建物と庭のつながりを演出しています。庭づくりは、建物との関係性を抜きにしては考えられないので、建物の設計担当ともディスカッションしながらプランを決めることが大切です」。人為的につくり込んだ感じではなく自然に近い風景となるように、たとえば足元に割栗石を敷く時は、あえて下草の中にランダムに混ぜ込むなどの工夫をしたそうです。塀は一部を縦格子にして、適度に視線を遮りつつ、風や光を通すしかけになっています。

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居間から続く庭には、広めの三和土と鉄平石の飛び石が。室内から眺めたり、 気が向いたらふらりと庭に出たり。自然がすぐそばにある暮らしを楽しめます

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「春から夏は緑が美しく、秋になると紅葉に染まるイロハモミジ、 足元には常緑のツワブキやオニヤブソテツを植えて、一年中楽しめる庭にしています」

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「絵を描くのが好き」という岡野さん。流麗なペンさばきで描かれたパースは、 完成した庭をイメージできる仕上がりになっています(実邸のパース)

「建物は、庭やエクステリア次第で印象が大きく変わります」と岡野さん。「街を歩いていて素敵だなと感じる家は、エクステリアも素敵で、バランスがとれているはず。逆に、エクステリアが残念な仕上がりで、印象を下げてしまっているケースも……。庭やエクステリアには、総予算の1割はかけていただきたいのですが、優先順位が低くなりがちです。建物と一緒に、予算面も含めトータルに提案してくれる会社を選んでほしいですね」。

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岡野さんが担当した実邸のエクステリア(写真2点とも)。 建物とバランスのとれた外構や植栽があってこそ、全体の印象が整うということがわかります

休日は、2歳になるお子さんと里山に行ったり、カフェや美術館に出かけてリフレッシュ。「アウトドアでは植物が目につき、建物では石やタイル、金属などの素材をチェック。職業病だな(笑)と思いますが、そうやって引き出しを増やしています」。この仕事に就いてもうすぐ10年、今でも現場で木を植え、建物と植栽、エクステリアが一体となった時、感動を覚えるという岡野さん。「建物やインテリアと同じくらいの関心をもって、庭やエクステリアを考えていただきたいですね。建物の印象を大きく変えますし、より愛着の持てる家になるはずです。私も、何年経ってもお客様から愛される、街行く人からいいねと言われるような庭づくり、エクステリアづくりを目指していきたいと思っています」