【太陽光発電義務化】東京都が条例制定へ。施主・メーカーへの影響は?

「ゼロエミッション東京」の実現に向け、東京都は都内の新築一戸建て住宅の屋根に、太陽光発電設備の設置を義務付ける条例制定を目指すことが分かりました。今後、有識者検討会の議論を踏まえた中間まとめを4月頃に公表する方針だそうです。


太陽光発電の設置はわずか4.7%。CO2排出量削減は喫緊の課題

国も一時、義務化を検討しましたが、住宅価格の上昇を懸念する声が強く、見送られました。しかし、都が掲げる「ゼロエミッション東京の実現」のためには、太陽光発電設備の設置の義務付けが必要と考え、推進させるようです。

都は、2030年に温室効果ガス排出量を2000年比で半分に、2050年には実質ゼロにする目標を掲げています。2030年の設定は、国の目標(2013年比46%減)を上回ります。この目標を達成するためには、排出量の約3割を占める「家庭部門」の削減が欠かせず、大きな課題となっているのです。

ちなみに東京都内の太陽光発電設備の設置状況は、住宅約177万棟のうち、設置はわずか4.7%(2019年度)にとどまっています。

では、太陽光発電義務化の条例が制定された場合、私たち施主や住宅メーカーにはどのような影響が出るのでしょうか。また、どのような仕組みになるのでしょうか。それらを以下に分かりやすくお伝えします。


供給するメーカーなど事業者に義務付け。将来は中小事業者にも拡大

  1. 設置を義務付ける対象は、個々の施主や建売住宅の購入者ではなく、供給するメーカーなど事業者である
  2. 具体的には、大手事業者約50社に、太陽光発電設備を設置して新築一戸建て住宅を販売することを義務付ける
  3. 日照条件を考慮し、義務化は販売数の85%程度を想定。未達成の場合は、事業者名を公表するなどペナルティーを科す方針
  4. 将来的には、中小規模の工務店なども対象に広げることを目指す

住宅価格上昇が懸念されるも、増えるメリットに目を向けよう

このことにより、年間に供給される都内の一戸建て新築物件約4万3000戸の5割強が、太陽光発電設備の義務化対象になる見通しです。「ゼロエミッション東京」の実現に向けての大きな一歩であることは間違いありません。

しかし、私たち施主側にデメリットが無いわけではありません。それは住宅価格の上昇です。太陽光発電設備がプラスされるわけですから、普通に考えれば価格はアップします。

とはいえ、現在でも太陽光発電を「標準装備」しているハウスメーカーやビルダーが増えてきており、設備メーカーも含めた住宅業界全体の努力があれば、価格上昇は抑えられるのではないかとの期待もあります。

太陽光発電は、電気の自給自足ですから光熱費を抑えられるメリットがありますし、災害時(停電)におけるバックアップ電源としての役目も大きいです。この機会をポジティブに捉えてみませんか。