視点5「間取りの自由度」:どちらも自由設計。こだわるなら工務店

間取り

ハウスメーカーと工務店、どっちがいいの?価格差の真実を紐解きます」の視点5を詳しく解説します。

間取りは、快適で暮らしやすい家に仕上げるために、最も重要な要素と言えます。それぞれの家族構成やライフスタイルに合ったこだわりを反映するために、「間取りの自由度」はパートナー選びにおける大切な視点です。

では、ハウスメーカーと工務店の、それぞれの「間取りの自由度」を確認してみましょう。


ハウスメーカー

「規格商品なので、変更はできない」は大きな誤解。

ハウスメーカーの間取り自由度をお話しするにあたり、まず、ありがちな誤解を解きたいと思います。

「ハウスメーカーの家は規格商品なので自由な設計ができない」

このように考えていたり、耳にしたりする人は少なくないようです。しかし、これは大きな間違い。ハウスメーカーの家は、規格商品ではなく、「視点2:企画力」でも少し触れましたが、「企画商品」なのです。

企画と規格では大違いです。「規格商品」は、あらかじめプランが何パターンか決まっていて、その中から好きなプランを選ぶ家づくりのこと。 一方、ハウスメーカーの「企画商品」は、さまざまな情報を分析・研究し、商品として開発・提案されたものです。「企画商品」の役割を理解すると誤解が解けると思いますので、以下に分かりやすく解説します。

あなたの家づくりテーマが。「私(共働き)の家事を楽にする」であったとしましょう。ハウスメーカーでは、商品ラインナップの中に「主婦目線の企画商品」があるので、その中から“いいところ取り”をして、“自由設計”で間取りや設備を検討していくことができます。

つまり「企画商品」というものは、あなたが家づくりで迷うことがないようにする“道しるべ”です。ですから、その間取りをそのままに家を建てる必要はないのです。

もしも、あなたが商談中にいくつかの間取りを提示されて、その中から選ぶようにと言われたならば、そのハウスメーカーとのお付き合いは、お断りしたほうがいいでしょう。ハウスメーカーであっても、しっかり自分の要望を伝えて、「自由設計」で家づくりを進めるのが一般的であることを、きちんと理解してください。


工務店

工法や法規制などの制約以外は、基本的にどんな希望にも対応。

工務店の間取り自由度の特徴は、すべて自由設計なので、工法や法規制などの制約以外は、基本的にどんな希望にも対応してもらえる点にあります。工務店のほとんどが木造軸組工法(在来工法)を用いており、設計自由度が高く、個性を生かした家づくりが可能となります。

なんでも出来るは危険 ゴールがないから 永遠に迷い続けることになる


選び方のポイント

それぞれの間取り自由度の差から導き出せるのは、

  • 裏付けのあるたくさんのアイデア・提案を参考に間取りをつくりたい」ならハウスメーカー
  • こだわりが強く、家づくりの方向性(間取り)が明確」なら工務店

ということです。


価格差の真実

この間取り自由度は、敷地の法規制と工法・構造による制限はありますが、ハウスメーカー、工務店共に自由設計です。この間取り自由度の差による価格差はありません


価格への影響度合い

「ハウスメーカーは高い」と感じてしまうのは、提案できる幅が広いためです。つまり要望に応じていわば高級車から小型車まで提案できますし、さまざまなオプションも付け加えることができます。対応力があるため要望が積み上がり、結果として高くなってしまいがちなのです。

つまり、「高い」のではなく、「高い提案もできる」のが正確な理解です。工務店は、要望をしても一般的に高額な提案(高級仕様)をすることに慣れていなかったり、ノウハウが無かったりするために、結果として安く収まる(収めてしまう)のです。


まとめ

「ハウスメーカーは自由に設計できない」という誤解は解けたでしょうし、工務店の間取り自由度の高さ、個性を生かした家づくりができることも理解されたと思います。それぞれの特徴をしっかりと吟味し、希望に沿った家を完成させられるパートナーを選んでください。