現在、新型コロナウイルス感染症が世間を騒がせています。完全に収束するまではもう少し時間がかかるようですし、今後、また新たな感染症問題が発生する可能性があることは、専門家からもたびたび指摘されています。そんな背景を考えると、これからの家づくりにおいても、あらかじめ感染症対策を施しておくことが大切になってくるのではないでしょうか。今回は、コロナ対策として必要な工夫ポイントをお伝えしたいと思います。
目次
1. 帰宅後すぐに、手洗い・うがいができるように、玄関近くに洗面を配置
感染症予防に大切な手洗い・うがい。今では誰もが行っていますが、大切なのは“帰宅後すぐに”手洗い・うがいをすることです。できる限り、菌を室内に持ち込まないためには、玄関まわりの設計の工夫が重要となります。
玄関に土間収納を設け、そこに小さな洗面を設けておくと、帰宅後すぐに手洗い・うがいができます。できれば動線が便利な2WAYタイプなら、手洗い・うがい→外着をハンガーにかける→室内に移動がスムーズに行えます。
2. 抗菌・抗ウイルス仕様の素材を採用する
床や壁などに、抗菌・抗ウイルス仕様の素材を用いると安心です。たとえば抗ウイルスセラミック塗装がされたフローリングや、光触媒作用で抗菌・抗ウイルス効果を発揮する壁・天井への塗膜材などです。現状でも数多くの製品が発売されていますが、これからは新しい製品が次々と生まれてくることが予想されますので、常にネットなどで情報収取をしておくといいでしょう。
3. 在宅ワークができる書斎や間取りの工夫を施しておく
在宅ワークが推進されるようになりましたが、「家には仕事をする場所がない」「作業に集中できない」といった声が聞かれます。これからは在宅ワークが当たり前の世の中になるかも知れませんし、今回のコロナ禍のように、急に在宅ワークが必要になるかも知れません。
そのためにも“仕事ができる”、“仕事に集中できる”空間設計をしておきましょう。敷地にある程度ゆとりがある方なら、専用の書斎を設けると仕事に集中できます。できれば書斎としてだけでなく、趣味室やお子様が成長した際の子ども部屋への転用など、ライフスタイルの変化や将来を見越した空間設計、ならびに動線を含めたレイアウトプランを立てることをおススメします。
敷地にゆとりがない、または籠らずに仕事がしたいという方は、空間のさまざまな場所で仕事ができる工夫を施しておくといいと思います。一か所ではなく、複数個所が仕事場になれば、たとえば夫婦ともに仕事をしなければならない、来客があり、リビング周りでは仕事ができないなど、その時々の事情によってフレキシブルに対応が可能となります。また、場所を変えることは気分転換にもなります。ウッドデッキやバルコニーに机と椅子を置いて仕事をするなんていうのも素敵ですよね。
4. 通信環境や電源などをしっかりと計画しておく
いまや仕事をするうえで欠かせないのがインターネットです。どこで仕事をするのか、有線なのか無線なのか、家づくりの際にはしっかりと計画しておきましょう。
もちろん電源(コンセント)もしかりです。先ほどお話した「屋外空間で仕事をする」場合、無線が届くのか、電源はどうするのかというところまで考えましょう。
5. ウッドデッキなど、アウトドアリビングでグランピングを楽しむ
密を避け、旅行もなかなか自由に行けない。そんな状況はこれからも続くかも知れません。そこで考えておきたいのが、“家の中でリゾート・リクレーションが楽しめる”工夫です。
おススメなのは、アウトドアリビング。
アウトドアリビングとは、室内空間である縁側と外部空間である濡れ縁の両方の特性を持った場所のこと。外と中を曖昧につなぐことで、室内にいても自然を感じやすく、屋外にいてもリビングにいるかのような心地よさが手に出来るスペースです。
アウトドアリビングがあると、暮らしの楽しみ方が大きく広がります。いつもの朝食をアウトドアリビングで食べるだけで気分が変わります。日向ぼっこしたり、BBQをしたり。今流行りのグランピングだってできます。つまりわが家がリゾートになるわけです。密を避け、家にいながら安心してイベントを楽しむ。これもこれからの家には欠かせない工夫の一つでしょう。
まとめ
ここに掲げた工夫点は、快適な暮らしを送るための大切な要素です。ウィズコロナの時代を迎える中、そこを削るのではなく、しっかりと家づくりに生かしておくことで、コロナ対策となります。ぜひ参考にしてください。