「外壁はサイディングにするの?」と友人に聞かれたけど、頭の中は「???」という方も実は少なくないはず。でも、いまさら「サイディングって何?」なんて恥ずかしくて聞けない。そこで今回の記事をご用意しました。サイディングとは何か、そのメリットや選ぶ際の注意点を徹底解説いたします。
目次
サイディングとは、外壁に張る仕上げ板材のこと
建物には壁がありますよね。その外壁を風雨などから守るために、いわゆる保護材を施工するわけですが、そこに用いる部材の中のひとつが「サイディング」というものです。
この外壁工事には、「湿式」と「乾式」があります。湿式は塗り壁やタイル張りなどで、乾式がサイディングです。工場であらかじめ成形された板状の保護材(サイディングボード)を壁に張ることで外壁を完成させます。
湿式と乾式の違いをもっと詳しく知りたい方は、【外壁】湿式・乾式って何?外壁の工法の違いとメリット・デメリットを参照ください。
サイディングボードを壁のサイズに合わせてカットし、つなぎ目はしっかりとシーリングで埋めます。ですから何枚もの板を張り合わせていく施工方法であっても、雨漏りや剥がれの心配はありません。もちろん経年劣化はしますので、後にご紹介しますがメンテナンスの必要はあります。現在、住宅の外壁では、このサイディングが主流となっています。
安くて、性能にも優れ、品質も安定しているなどメリットがいっぱい
では、サイディングのメリットを見ていきましょう。
サイディングのメリット
- 工事価格が湿式と比べて安く済む
- 湿式と比べて工期が短い→コスト減につながる
- 耐水性に優れている
- 耐候性に優れている
- 汚れを自然の力で落とす光触媒塗装など、防汚コーティングされたサイディングもある
- 種類・デザイン・カラーバリエーションが豊富
- 工場で生産されるため、品質が安定している
- 塗り壁に比べて、経年劣化しにくい
サイディングには大きく分けて4種類ある
ひと言でサイディングといっても、そこには大きく分けて4つの種類があります。それぞれには特徴がありますので、ご紹介しましょう。
窯業系サイディング
セメント質と繊維質の原料を混ぜ合わせてつくられたサイディングボードです。特徴としては、
- シンプルなものからレンガ風や石積み風など、デザイン・カラーバリエーションが豊富
- 地震などの衝撃に強い
- 防・耐火性に優れている
- 防汚コーティングされた製品もある
- 蓄熱しやすい→表面を耐熱処理することで外気温に対応
- 価格が比較的安い
金属系サイディング
ガルバリウムやアルミニウム、ステンレスなどの鋼板を用いてつくられたサイディングボードです。特徴は、
- 窯業系に比べ、長期間メンテナンスの必要がない
- 防水性・耐候性が高い→気温変化の大きい寒冷地に向いている
- 価格が高くなる
木材系サイディング
天然の木に塗装を施してつくられるサイディングボードです。特徴としては、
- 木目のあるナチュラルでやさしい印象のおしゃれな外観に仕上がる
- 耐熱性に優れる
- 耐水性に劣る→基材に水分が含んだ状態で放置すると腐る可能性も
- 価格が高い
樹脂系サイディング
樹脂成型されて生み出されるサイディングボードです。特徴は、
- 劣化しにくい
- 耐候性に優れている→塩害や凍害などにも強い
- 板の隙間を埋めるシーリングが使用されていないため、目地の補修が必要ない
- 軽い(躯体荷重を減らせる)→窯業系サイディングの約10分の1
- 遮音性は劣る
窯業系サイディングの耐用年数は7年~8年と言われている
これらサイディングの中で、最も多く採用されているのが、窯業系サイディングです。特徴に示した通り、デザインも豊富で性能にも優れ、コストも安いのですから、当然と言えば当然です。でも、注意点があるのも事実です。
注意点:耐用年数は7年~8年と言われている→定期的にコストがかかる
窯業系サイディングの原料は吸水性があるため、表面塗装が必要不可欠。表面の塗膜が経年劣化により剥がれたり、サイディングが反ったりした場合、再塗装などのメンテナンスが必要になります。
反りや剥離などの見た目の変化だけでなく、サイディングを指でなぞった時、白い粉が付いていたら(チョーキングと言います)表面塗装が剥がれているサインです。防水効果が薄れてきているので、再塗装を行う必要があります。
まとめ
いかがでしたか。日本の住まいの7割~8割に用いられているサイディングですが、経年劣化によるメンテナンス(費用)も考慮しなければならないことも理解していただけたかと思います。
湿式の場合では一部補修で済むものが、サイディングだと全面張替えが必要になることもありますので、外壁選びは後々も見据えながら行いましょう。