【外壁】湿式・乾式って何?外壁の工法の違いとメリット・デメリット

外壁

風雨や陽射し、気温差など、日々変化する気象・気候条件にさらされる外壁。さらに外壁は面積が大きいため、住まいの見栄えにも大きな影響を与えます。そんな外壁工事には、「湿式」と「乾式」があるのをご存知でしたでしょうか。今回は、「湿式」と「乾式」の違い、そのメリット・デメリットなどをお伝えしたいと思います。


「材料が水を含んでいる=湿式」「材料が乾いている=乾式」

まず湿式をご説明しましょう。湿式とは、モルタルや漆喰、土壁材などを用いて施工する方法です。材料を水と混ぜて練り上げ、それをコテや刷毛などで下地材の上に塗っていく工法を指します。ずいぶん古い民家を見ると土壁だったりしますよね。あれが湿式の壁です。

一方、乾式は、あらかじめ工場で規格に基づいて製造された建材を用いる施工方法。代表的なものはサイディングです。それらを組み立てて張り付けたり、引っかけたりする方法で下地材の上から取り付けていきます。現代の多くの住まいで採用されている一般的な工法です。


個性溢れる表情に仕上げるのか、工期やメンテナンス性を重視するのか

では、家を建てるにあたって、湿式か乾式か、どちらがいいのでしょうか。次にそれぞれのメリット・デメリットを見ていきたいと思います。


湿式のメリット・デメリット

湿式のメリット

  • 材料の種類や調合によって、さまざまな風合いが出せる
  • デザイン性や個性が引き立つ佇まいに仕上げられる
  • 天然素材にこだわりたい方には最適
  • 経年変化はあるものの、それを味わいとして楽しみたい人には打ってつけ

湿式のデメリット

  • 施工が天候に左右される
  • 乾燥させるための養生期間が必要なため、工期が長くなる
  • 現場作業のため手間がかかり、仕上がりは職人の腕に左右される

乾式のメリット・デメリット

乾式のメリット

  • 天候に左右されることなく、工期が短い
  • マニュアル通りの作業のため、職人の技量に左右されない
  • 比較的低価格で安定した品質を担保
  • 特に都市部においては、周囲の街並みに馴染みやすい
  • メンテナンス性に優れている

乾式のデメリット

  • サイディングにもいろんな種類があるものの、個性は発揮しにくい
  • 工業製品ゆえ、あたたかみある雰囲気は出しにくい

まとめ

このように、それぞれ長所・短所がありますが、大切なのは家づくりにおいて「何を重視するのか」です。家はこれから先、何十年も住み続けていくもの。快適性やメンテナンス性はもちろん、愛着が増していくという点も考慮すべきポイントとなります。外壁はいわば“我が家の顔のお化粧”ですから、湿式なのか乾式なのか、また、どのような材料・デザインのものを選ぶのかをじっくりと検討しましょう。