何度も打ち合わせをし、納得の設計ができたと思っていても、意外と「落とし穴」があるものです。完成・入居してから「しまった!」と思わないように、今回は設計時に「気を付けておきたい点」をお伝えしたいと思います。
目次
注意点その1:家具や冷蔵庫などが「入らない!」
ソファや家具、冷蔵庫などの大きなものは、入居の際に「サイズ」が問題になるケースがあります。廊下や扉の広さ、冷蔵庫スペースのサイズによっては、「運び入れることができない!」なんてことも考えられます。
手持ちの家具のサイズはもちろん、入居後に購入予定の大型家具、冷蔵庫などがちゃんと運び入れられる、または収まる空間設計を心がけましょう。冷蔵庫の扉がどちら開きなのかもしっかりとチェックしてください。
いまは良くても、家族が増えると冷蔵庫もより容量の多いもの、ソファもより大きなものが欲しくなります。将来の暮らしの変化も見据えた空間設計をしましょう。
注意点その2:ピアノを置きたくなったけど、「強度が心配!」
将来、「子どもたちにピアノを習わせたい」と思った時、床の強度が心配になることも。建築基準法における床の積載荷重は、一般的な住宅の設計では「床の積載荷重(その床に置く物の重量)」として「㎡あたり約180kgに耐えられる」ことが定められています。
ピアノの重量は、アップライトピアノでは194㎏~278㎏、グランドピアノだと300㎏を超えるものが多いようです。
そうなると「床が抜ける!」と思いがちですが、大事なのは1m×1mで考えるより、部屋全体でどれくらいの許容があるか、です。つまり6畳(約10㎡)なら、そこに置くものの総重量は約1800kgまでなら問題ないといえるのです。
ですから強度における心配は、特段必要ないことになりますが、それでもピアノや大型のオーディオスピーカーなど、かなりの重量物を置く予定がある場合は、強度補強も含め、事前にハウスメーカーに相談しておくことをおススメします。
注意点その3:近所迷惑が心配。「防音対策をしておくべきだった!」
楽器演奏や音楽・映画鑑賞、さらにはカラオケまで、思う存分楽しもうと思った時、気を付けたいのがご近所への配慮。音漏れは、楽しんでいる本人は意外と気づかないものですが、周囲の人はとても敏感で、気になるものです。
そういった「音」を楽しみたい方に必須といえるのが「防音対策」です。シアタールームや音楽室を設ける場合、リビングにピアノ多く場合は、あらかじめ防音処理を行っておきましょう。
注意点その4:実際に暮らしてみると、「なんだか風通しが悪い!」
いつの時代もそうですが、特にいまは「換気」が大切です。現在では、建築基準法で「24時間換気」が義務付けられていますが、それでも窓を開けて、自然の心地よい空気を室内にたっぷりと取り込みたいもの。でも、「窓の配置」によっては、効率的に換気ができない家になってしまうこともあります。
大切なのは、「風が抜ける」こと。「風を取り込む窓」と「逃がす窓」を一対で考えることが風通しのいい家をつくるポイントとなります。家を建てる土地に風向きの特性がある場合は、それらをしっかりと考慮した設計が大切ですし、暖かい空気は上昇する性質がありますから、高い位置にも窓を設け、風が抜ける工夫も重要となります。ハウスメーカーとしっかりと打ち合わせしましょう。
注意点その5:吹き抜けやリビング階段にしたけれど「寒い!」
吹き抜け空間は開放感があり、とても心地いいものです。リビング階段は、親子の自然なつながりを生み出すことから人気があります。しかし、ここで気を付けたいのが「寒さ」です。
大空間になるほど、空調効率が悪くなるのは当然のことです。また、リビング階段も冬場は暖かい空気を上階に奪ってしまい、寒さを感じがちになります。
対策としては、断熱材をしっかりと入れることは当然として、滞在時間の長い、リビングやダイニング、キッチンに床暖房を設置すると効果的です。また、吹き抜け空間にはシーリングファンを設け、空気を循環させることで空調効果を高めることもできます。
リビング階段には扉を設けたり、ロールスクリーンで仕切られるようにするとよいでしょう。見た目的には開放感が失われてしまうかも知れませんが、より暖かく快適に暮らすためのひと工夫です。
まとめ
住まいを設計するにあたって、意外と見落としがちな注意点をご紹介しました。
- 新居に運び込むもののサイズと廊下、扉のサイズを考慮する
- 床の強度を相談しておく
- 音を思う存分に楽しむために、防音対策を講じる
- 換気は重要。風通しのいい窓計画を
- 特に大空間、リビング階段の場合は、寒さ対策を万全に
ぜひ参考にして、後悔のない100点満点の家を手にしてください。