「ハウスメーカーと工務店、どっちがいいの?価格差の真実を紐解きます」の視点3を詳しく解説します。
「ハウスメーカーの家は、ハウスメーカーの社内の人たちで建てられている」。そう思っている人は少なくないようです。でもそれは大きな勘違い。実は、ハウスメーカーの家を建てているのは、地元の工務店なのです。
それなら、ハウスメーカー、工務店のどちらに頼んでも完成する家は同じになるのかというと、それはそうではありません。ハウスメーカーの家は、メーカー独自の工法のため、構造用の材料から外装、設備など、そのほとんどがメーカーから支給されます。一方、工務店は、構造用の木材は地元の材木屋から、設備は設備メーカーから購入します。
このように、使用する材料に違いがありますから、当然、完成する家は異なるのです。
では、「品質と工期」の観点から、ハウスメーカーと工務店の、それぞれの「施工力」を確認してみましょう。
ハウスメーカー
品質のバラつきがなく、均一な施工が行われる。
ハウスメーカーが使用する部材は、工場でのプレカット加工(※)が多いので、品質のバラつきが少なく、均一な施工が可能となります。かつ、施工方法がマニュアル化されているため、そもそも手抜き工事ができず、品質が担保されます。
デメリットとしては、加工された部材が現場に届き、施工手順も決まっているため、一度決定した仕様を工事中に変更することはほぼできないこと。
工期は短く、約3~4か月で完成します。
※木造住宅の柱や梁の継ぎ手、仕口を、従来は手工具で加工していたものを、機械で正確に行なう技術
工務店
職人さんの技量やモラルに左右される。
部材は現場での加工がほとんどなので、品質が職人さんの技量やモラルに左右されることがあります。ただし、現場加工ゆえに、限度はあるものの、工事中での変更や細かな造作など、融通が利くことは最大のメリットです。
工期は比較的長く、約4~5か月かかります。
選び方のポイント
それぞれの施工力の差から導き出せるのは、
- 「安定した品質を選ぶ」ならハウスメーカー
- 「大工棟梁の腕(品質)が確か」なら工務店
ということです。
価格差の真実
工期が長いと人件費が膨らむため、その分、工務店は高くなります。
価格への影響度合い
工期が長いと人件費が膨らみますので、それは価格にダイレクトに反映されます。施工期間が2ヶ月も違うと、相当な差を生み出します。
まとめ
この「品質と工期」から見る「施工力」の差を理解すれば、工事に対する安心感や融通度合いを測ることができ、家づくり過程における不満や不安を払しょくすることができるでしょう。また、工期の差が価格差を生むことを知ることで、最適なパートナー選びの大切な観点が手にできたと思います。