「在宅避難」という言葉をご存知でしょうか。在宅避難とは、大規模自然災害時に自宅で待機すること。たとえば首都圏直下地震などの大規模地震が発生した場合、避難者数は最大約339万人(※1)と予測されている一方、都内の避難所収容可能人数は、約328万人(※2)と試算されており、“避難所難民”が生まれる可能性があるのです。このような理由から、官公庁や一部の自治体でも、自宅に留まる「在宅避難」を推進する動きが目立つようになってきました。
※1 東京都総務局「首都直下地震等による東京の被害想定報告書」(2012年4月)
※2 東京都総務局「東京都防災ホームページ」Webサイトより(2013年4月)
目次
「在宅避難」ができる家とは?キーワードは“暮らし続けられる強さ”
このような大規模災害時リスクに対し、セキスイハイムが提案するのが「在宅避難ができる家」です。では、その家の特徴を具体的に見ていきましょう。
1.「強さを求めた高品質な住まい」であること
「在宅避難ができる家」の第一条件として、大規模自然災害に見舞われたとき、強烈な風や激しい揺れなどが起きても倒壊しない住まいであることが挙げられます。セキスイハイムの家は、「頑丈なユニットでつくられる」ため倒壊しにくく、さらに工場生産であることから「品質の均一化」を図ることができ、設計通りの高品質な住まいを建てることが可能なのです。東日本大震災タイプの1.75倍の規模の振動を加えた実大実験でも、ユニット構造体への有害な損傷がない(※3)頑丈な家。安心でたくましい、まさに家族の“ホーム”となる住まいです。
※3 あくまで実験の結果であり、プラン・建築地・地震のタイプなどの条件により、揺れ方は異なります。
2.「動線や設備の工夫と充分な備蓄」がなされていること
大規模自然災害が起きた際、最優先すべきは「避難」です。家づくりにおいては、ケガなく、安全に外に出られる「1次避難動線」をしっかりと計画しておくことが重要となります。セキスイハイムは、1次避難時に持ち出すべきグッズ(図参照)を容易に取り出せ、スムーズに玄関から外に出られる動線計画を提案。
避難時に、すぐに持ち出せる必要最小限の備え。寝室や玄関の収納の取り出しやすいところに用意しましょう。
貴重品 | 現金、通帳、印鑑、健康保険証(コピーでも可) |
情報収集用品 | 携帯電話、携帯ラジオ、モバイルバッテリー |
食料品 | 軽食料品(お菓子や栄養補助食品)、飲料水、水筒 |
便利品 | 大きめのリュック、ヘルメット、懐中電灯、ヘッドライト、雨具、ポリ袋、防犯ブザー・笛、筆記用具 |
健康・衛生用品 | 救急用品(ガーゼや消毒液など)、ポケットティッシュ、除菌シート、タオル、マスク、常備薬 |
その他 | おむつや生理用品、眼鏡、杖など必要なもの |
1次避難用備蓄に加え、3日程度を自力で過ごせる備え。家族が集まる部屋の近くに用意しましょう。
食料品 | 飲料水(2〜3L×3日×人数分)、食料(普段の食事、レトルト食品、缶詰、お菓子、非常食) |
衣料品 | 着替え、下着、靴下、防寒着 |
便利品 | 非常用トイレ(凝固剤や吸水シート)、毛布、ランタン、予備電池、カイロ、使い捨ての食器(紙皿や紙コップ、割り箸など)、ラップ、ポリタンク、自転車、台車、キャリーカート、段ボール、新聞紙、ドライシャンプー、汗拭きシート、マウスウォッシュ |
その他 | 赤ちゃん用品、ペット用品など必要なもの |
さらに揺れを感知してロックし、モノの飛び出しを防ぐ「耐震ラッチ」、脱落防止の耐震ブロックを用い、外れて落下して人やモノにぶつかることを防ぐ「開口サッシ」など、安全性の高い設備・仕様を採用し、1次避難時のリスク軽減を図っています。
3.「電力の自給自足」が可能なこと
過去に起きた大規模自然災害時を振り返ってみると、ガスや水道と比べ、電力は復旧に約3日を要しています。つまり、在宅避難をするためには、「数日間の停電を耐えしのげる準備」が必要というわけです。
そこでセキスイハイムは、「エネルギーの自給自足」を目指し、太陽光発電システムと蓄電池システム、独自のHEMS(スマートハイム・ナビ)を標準化。電力会社に頼ることなく、自らの力で発電し、貯め、必要な時に使えることにより、万が一の災害時のリスクを軽減します。また、災害時には主要な電源が自動で復旧するため、暗い中での慣れない作業をする必要はありません。そして、何よりも安心なのは、夜に灯りががある生活が可能なことです。
4.「移動手段の確保」に配慮されていること
たとえば配給所が遠く、渋滞や路面崩壊が著しくない場合、クルマで配給を取りに行きたいもの。でも、一般的な車の場合、ガソリンの調達が困難になる場合も少なくありません。しかし電気自動車(EV)なら、そんな心配も無用。自ら発電した電気を使用し、移動することができます。
電気自動車は大容量のバッテリーを搭載していることから、蓄電池と同様に電気を貯め、それを取り出して使えるというメリットもあります。セキスイハイムでは、家と電気自動車を結ぶ「VtoH(Vehicle to Home)」機能を強化。災害時における生活利便性をより高めました。
2018 年に発生した主な自然災害による停電時の蓄電システム稼働状況を調査したところ(※4)、 EV に搭載されている大容量蓄電池によって、EV での外出はもちろん、食事、入浴、空調 と停電時でも日常に近い生活ができていたことが確認できました(※5)。このように実証されているというのは、やはり心強いものです。
※4:2019 年 2 月 25 日発表「長期停電時におけるセキスイハイムの蓄電システムの稼働状況について」より。
※5:三菱電機製 V2H システムを設置されたお客様の場合。天候およびお客様の家電使用状況や太陽光発電・ 蓄電池仕様によるため、全てのお客様邸での稼働状況、停電時の生活を保証するものではありません。
5.「飲料水蓄留システム」により断水時にも飲料水が確保されていること
災害時では、自宅の水道が使えず、水の入手が困難になることも想定されます。配給所に取りに行くのもとても大変ですし、備蓄で賄うのにも限界があります。そこでセキスイハイムでは、「飲料水蓄留システム」を用意。これは4 人家族 3 日分の飲料水に相当(※6)する24リットルの飲料水を確保するもので、断水時には足踏みポンプで操作することにより、キッチンまたは洗面台の水栓から水を供給することが可能となります。腐食の心配のない高性能ポリエチレン樹脂製で、貯留水は日常の給水により入れ替わるため、衛生面にもしっかりと配慮した提案となっています。
※6 災害時に 1 日 1 人あたり最低限必要な飲料・調理水量=2 リットル(飲料水 1 リットル、調理水 1 リットル)。 農林水産省「食料の家庭備蓄をめぐる状況」の備蓄目安より当社算定。
まとめ
いかがでしたか。いつやって来るか分からない大規模自然災害だからこそ、今からしっかりと備えておくことが重要です。それは家族の安心・安全、健康につながり、末永いしあわせにもつながります。セキスイハイムの「在宅避難ができる家」には、ここにご紹介したこと以外にも、数多くの工夫やメリットがあります。詳しくはカタログを請求し、読み込んでみてください。これからの家づくりには欠かせない「在宅避難」という考え方を、ぜひ検討することをおススメします。