北米を舞台にした映画には、よく“カバードポーチ”のある家が登場します。カバードポーチとは、玄関ポーチに連なるように屋根を延ばした、屋根付きの半屋外空間のこと。家の前に設けられた屋根付きのデッキといえば、イメージしやすいかも知れません。今回は、このカバードポーチの魅力やメリット、そしてデメリットをお伝えします。
憩いのスペースとして、近隣住民との交流を深める場として活躍
カバードポーチは、日本家屋でいうところの“縁側”のようなものと言えるでしょう。住まう人の憩いのスペースであることはもちろんのこと、隣人とのコミュニケーションの場所としても活用されています。では、具体的にメリット・デメリットを見ていきましょう。
カバードポーチのメリット
- 外壁から前にせり出した空間が生まれるため、住まいのプロポーションにどっしりとした落ち着きや高級感を与えてくれ
- 周辺に暮らす知人・友人を気軽に招くことができ、コミュニケーションや交流が深められる
- 半屋外空間のため、四季の移ろいや、爽やかな風など、自然の恵みが感じられる。日向ぼっこにも最適
- リビングルームとつなぐように設計することで、広く伸びやかな空間を実現することができる
- 軽い食事やお茶、読書を楽しむ場として、またはBBQやホームパーティなどにも大活躍。DIYをするスペースなど、用途は多岐にわたるので、暮らしの幅が広がる
- 屋外から見た場合、カバードポーチがあるとリビングルームなどが見えにくくなり、プライバシーの確保に役立つ
カバードポーチのデメリット
- 敷地(庭)にゆとりがないと実現することは難しい
- コストが余計にかかる
- 風雨にさらされる機会も多いので、メンテナンスが必要
まとめ
このようにメリット・デメリットの両方がありますが、カバードポーチは輸入住宅とのデザイン的な親和性も高く、暮らしの豊かさも高めてくれるもの。日本の輸入住宅はもちろん、海外の建築実例写真を参考にしながら、あなたの理想の形を探してみてはいかがでしょう。
ちなみに映画などではカバードポーチに置かれたベンチに老人が佇み、のんびりと過ごすシーンがよく描かれます。あれは単に日向ぼっこをしているだけではなく、見知らぬ人が町に入ってこないか監視しているのだとか。そうやって地域の治安を守るのだそうです。日本はそこまで防犯に気を遣わなくても済む国ですが、何かあった時は助け合うために、近隣住民との交流を深めるという点で、カバードポーチはおおいに活躍してくれることでしょう。