家を建てる際、必ず窓はつけるものです。ところで窓には、さまざまなタイプが存在し、それぞれに付ける最適な場所や機能、メリット・デメリットがあることをご存知でしょうか。それらを知っておくのと知らないでいるのとでは、暮らし始めてからの満足度・快適度に大きな差が生まれてしまいます。今回は、窓の基礎の基礎を勉強したいと思います。
目次
こんなにも種類がある窓。目的や暮らし方を整理し、選ぶことが重要！
では、窓の種類をご紹介し、ポイントやメリット・デメリット、注意点などを示していきましょう。
引き違い窓
- 横引き窓で左右に引き違うタイプの窓。日本の窓のスタンダードタイプ
- さまざまな部屋・場所につけやすく、開き具合によって風通しが調整できる
- 窓まわりのデザイン自由度が高い
- 外側のガラス面の掃除がしにくい
- 掃き出し窓（枠の下部が床に接する、リビングと庭をつなぐ窓としてよく使用）としてよく利用される
片引き窓
- 左右片方がFIX窓（開かない固定された窓）で、もう片方が開閉する窓
- 真ん中にフレームがないので眺望を確保しやすい
両袖片引き窓
- 真ん中がFIX窓で左右がスライドして開く窓
- 真ん中にフレームがないので眺望を確保しやすい
引き込み窓
- 窓を開いた時に開口部の脇に障子を収納する窓
- 庭やテラスに面した場所に適している
- ガラス面積が大きいため、開放感が得られる
上げ下げ
- 上下2枚の戸を上下させて開閉する窓
- 片方のみ、2枚とも開閉するタイプがある
- 窓の開き具合を自由に調整できるので、風通しを調節できる
- 洋風のデザインにマッチ
- 室内側から室外側の窓の掃除が可能
- 防犯性に優れている
折りたたみ窓
- 窓を折りたたむことで、開口部を全開にできる窓
- 庭やテラスの面した場所に最適
- 抜群の開放感が得られる
たてすべり出し窓
- 縦方向を回転軸にして、室外側へ開く窓
- 家の外側に沿って吹く風を効率的に室内に取り込むことが可能
- 引き違い窓に比べて気密性が高い
- 室内側から室外側の窓の掃除が可能
- 外開きの際、網戸の問題が出てくる
すべり出し窓
- 横方向を回転軸にして、室外側へ開く窓
- 障子面が庇のようになるため、小雨程度なら雨の日も可能
- 室内側から室外側の窓の掃除が可能
- 外開きの際、網戸の問題が出てくる
オーニング窓
- すべり出し窓を縦に2～4つ連結した窓
- 複数の窓を一つのハンドルで同時に開閉
- 障子面が庇のようになるため、小雨程度なら雨の日も可能
両たてすべり出し窓
- 開き窓のこと。左右の窓枠を軸に2枚の障子を開閉する窓
- 開放できる面積が大きく、外の空気を取り込みやすい
突き出し窓
- 窓枠の上部を軸にして開く窓（障子の上部が固定）
- ピクチャーウインドウとも呼ばれる。外の景色を取り込みやすい
- 障子面が庇のようになるため、小雨程度なら雨の日も可能
ガラスルーバー窓
- 細かいスリット上のガラス板が並んでいる窓
- レバーを回しながらガラス板の角度を調整し、開閉する
- プライバシーを守りながら換気できる
- 雨が入りにくい
- 防犯面に弱く、面格子などと組み合わせることがおススメ
ツーアクション窓
- 一つの窓で内開きと内倒しの2通りの開け方ができる窓
- 内開きにすると窓の掃除がしやすい
- 内倒しは上部が少し開く形なので、換気の際の防犯やプライバシー確保、落下防止に効果的
- 気密性、断熱性が高い
- デザイン性に優れる
- カーテンやブラインドが取り付けられない（プライバシーの確保は、すりガラスなどで対応）
- 価格が高い傾向にある
内倒し窓
- 窓枠の下側を軸にして障子を室内側に倒して開く窓
- カーテンやブラインドが取り付けられない（プライバシーの確保は、すりガラスなどで対応）
外倒し窓
- 窓枠の下側を軸にして障子が室外側に倒して開く窓
- 排煙窓として高所によく使用される
- 浴室など、高温多湿の部屋には取り付けられない
天窓
- 勾配のある屋根に設置する窓
- 自然光を取り込むのに最適
- 設置場所を工夫すれば、家全体の換気を有効にできる
- 開放感が得られる
- 夏は室内が暑くなりがち
- 経年劣化による雨漏りのリスクも十分考慮すべき
地窓
- 床面に接した位置にある窓
- 外の視線をあまり気にせず、採光や通風が可能
- 天窓や高窓と組み合わせれば、換気効率がアップ
- 坪庭などを借景として取り込むのに最適
- 低い位置にあるため、開閉が面倒。ゴミや虫が入ってきやすい欠点もあり
FIX窓
- はめ殺し窓ともいわれる開閉できない窓
- 眺望や最高のためによく採用される
- 丸形など、デザイン性の高いものもある
- デザインにより、室内室外ともアクセントになる
- 換気はできない
- デザイン性は求められるが、それに最適なカーテンやブラインドはないといえる
出窓
- 建物の壁から外に突き出たタイプの窓
- 室内空間を広く見せるのに有効
- 窓辺に小物などが置ける
- 弓形、台形、角形などから選べる
- 引き違い窓、FIX窓など窓の開き方が選べる
コーナー窓
- 部屋の角（コーナー）に設置した窓
- 開放的で、デザイン性に優れる
- 耐震性が下がる
- カーテンで覆えない隙間が生じやすい
まとめ
このように窓にはさまざまな種類があり、暮らし方や求める機能性などにより、洗濯の仕方、条件が異なることが分かります。窓は後から簡単に取り変えたり、増設することは難しいため、上記ポイントを参考にしながら、あらかじめしっかりと検討することをおススメします。