【輸入住宅の基礎知識】キッチンおよび周辺空間の設計のしかた

輸入住宅の基礎知識として、今回は「キッチンおよび周辺空間の設計のしかた」をお届けします。米国の住宅のキッチンは、日常の家族の食事を用意する場所であるとともに、ゲストを招いた際のおもてなし料理(フォーマルな食事)を準備するところでもあります。よって、機能的な空間配置が求められるのです。では、北米住宅のキッチンおよび周辺空間の設計のしかたを見ていきましょう。


ファミリールームとヌークとキッチンを連続させて一体化する

日常生活は、「ファミリールーム(居間)」と「ヌーク(食堂)」と「キッチン(台所)」によって営まれます。ゲストをお招きするリビングルーム(応接室)ではなく、日々、家族が集い、くつろぐのはファミリールームです。そして家族の食事はヌークで済ませ、こちらもお客様をおもてなしするダイニングルーム(正食堂)は、誕生日などの記念日以外は利用しません(参考:【輸入住宅の基礎知識】日本とは違う海外のリビングルームへの考え方)。

キッチン横のファミリーヌーク 三井ホーム・浜田山モデルハウス

よって北米住宅では、ファミリールームとヌークとキッチンを連続して計画します。3つの空間が一体となって機能することで、炊事・家事をする者と、その他の家族が一緒の空間で楽しく、安心して過ごすことができるのです。


キッチンは正食堂に隣接。グレートルームという考え方も一般化

グレートルーム 三井ホーム・浜田山モデルハウス

一方、扉で仕切り、プライバシーをしっかりと確保したうえで、ダイニングルーム(正食堂)を、おもてなし料理を配膳しやすいキッチンに隣接した形でレイアウトします。フォーマルな空間である、「エントランスホール(玄関広間)」、「リビングルーム(応接間)」、「DEN(書斎)」、「ダイニングルーム(正食堂)」をキッチンが支える。北米住宅は、このような空間構成に仕上げられるのです。

近年では、共働きの子どもがいない夫婦や子育てが終わった家族では、すべての生活をフォーマルな空間で完結させるトレンドも生まれてきています。ファミリールームとcを共用した「グレートルーム」という空間をつくり、キッチンにヌークを付属させて、ダイニングルームをより頻繁に使用する暮らし方も一般化しているようです。


友人たちと一緒に料理を楽しむスタイルによって、キッチンが大型化

アイランドキッチン スウェーデンハウス・駒沢モデルハウス

また、ゲストのおもてなしでは、友人などの場合、一緒に料理を楽しむというスタイルも定着してきています。得意料理を教え合ったり、みんなで味見をしながら愉快に会話したり…。そんな中から人気を集めているのが、アイランド型のキッチンや大型のカウンタートップなど。料理を一度にたくさん作れる大型のレンジなども、キッチンの設計の中で積極的に採り入れられています。


まとめ

このように、日本の住まいの在り方と北米住宅の考え方には大きな差があります。ライフスタイルも含め、海外の暮らしを採り入れたい方は、ぜひ参考にしてください。もし外国の方があなたの自宅を訪れられたなら、きっと正食堂(ダイニングルーム)や応接室(リビングルーム)に驚かれ、最高のおもてなしに喜ばれることでしょう。