【屋根材・スレート系】屋根材選びで失敗しないための特徴比較 その4

屋根材

家は、さまざまな部材や素材で構成されています。屋根材もその一つ。デザイン性はもちろんですが、屋根材にはいくつかのタイプがあり、それぞれメリット・デメリットなど特徴が存在します。屋根材選びで失敗しないために、しっかりと知識を得ておきましょう。ここでは一般住宅に広く使用される屋根材を取り上げます。


屋根材には大きく分けて4分類ある

まず屋根材の基礎知識ですが、住宅に用いられる屋根材の種類は大きく4つに分類されます。

  1. 金属系
  2. 粘土系
  3. セメント系
  4. スレート系+その他

これら4種類を4回の記事に分けて解説していきたいと思います。最終回の第四回目は「スレート系屋根+その他(シングル系・陸屋根の防水工事)」についてです。


スレート

セメントに繊維材料を混ぜ、強化した薄い板状の屋根材です。カラーベストやコロニアルという名は商品名。打ち合わせの時にこの名称が出てきたら、スレート素材と理解しましょう。

色やデザインも豊富で、軽量・安価であることから普及が進みました。近年、改良が進められ、表面の塗装耐久性や耐候性、遮熱性、自然素材風のデザイン性を高めたものなどもあり、商品によって性能差があります。現在、最も普及している屋根材の一つです。

メリット

  • 瓦などに比べると安価(一部高価な商品もあり)
  • カラーバリエーションが豊富
  • 耐火性に優れている
  • 断熱性に優れている
  • 軽量のため耐震性に優れている

デメリット

  • 暴風雨に比較的弱く、隙間から雨水が入り込みやすい
  • 定期的な塗装が必要
  • 重さや衝撃に強くなく、強い風、災害、積雪でも割れてしまうことがある
  • 表面がザラザラしているため、水分が溜まりやすく、コケやカビが生えやすい

メンテナンス

  • 約10年サイクルで再塗装が必要
  • 耐久性は20年~25年

その他屋根材:アスファルトシングル(グラスファイバーシングル)

不織布やグラスファイバー(ガラス繊維)基板にアスファルトをコーティング。そこに細かい石粒を施して、アクリル樹脂などで固定させた屋根材です。

アメリカの住宅では、80%以上の屋根に施工されていると言われるほど一般的。そういう観点から考えると、モダンスタイルや輸入住宅風の住まいに仕上げる際の、最適な屋根材の一つと言えるでしょう。

メリット

  • 耐久性に優れている
  • 軽量なため耐震性に優れている
  • 防音性が高い
  • 防水性に優れている
  • 加工が容易なので、複雑な屋根形状にも対応しやすい

デメリット

  • 表面がザラザラしているので、水が溜まりやすく、コケやカビが生じやすい

メンテナンス

  • グラスファイバーシングルの耐久性の良いものは30年以上、メンテナンスフリーのものもある
  • 耐久性は20年~30年

その他屋根材:陸屋根(ウレタン防水・シート防水・FRP・アスファルト防水)

勾配がほとんどなく、屋根部分がほぼ平面上になっている屋根を陸屋根と言います。強い台風が来る沖縄地方では陸屋根が主流。また、最近では屋上スペースの活用など陸屋根は増え始めています。

その際、一番気を付けるべき点が防水です。陸屋根は勾配がないため排水が弱く、そのため雨漏りのリスクが増します。雨漏りを防ぐ防水工事にはさまざまな工法があります。

  • ウレタン防水/耐久年数10年
  • シート防水(ゴム)/耐久年数10年
  • シート防水(塩ビ)/耐久年数15年
  • FRP/耐久年数10年
  • アスファルト防水/耐久年数15年

まとめ

いかがでしたか? スレート系+その他(シングル系・陸屋根の防水工事)をはじめ、これまでご紹介した金属系、粘土系、セメント系と、屋根材にはいろんな種類があることがお分かりいただけたことでしょう。 これまでお伝えした三回分と併せて、あなたにとってベストな屋根材を選んでください。