【キッチン】自分にピッタリの機能的なキッチンを実現する5つの常識

キッチン

キッチンを選ぶ際には、その大きさや収納力、デザインなどが気になるものです。もちろん、それらも重要なポイントではありますが、より機能的で使い勝手のいいキッチンに仕立てるためには、それ以外にもさまざまな要素を検討しておくことが大切となります。

キッチンは毎日使うものです。そしてダイニングやリビングルームとのつながりも生まれます。ですから家事の面のみならず、暮らし方や空間全体を考えたプランニングも必要となるのです。キッチンの検討時には、ぜひ広い視野を持ちましょう。キッチンのデザインなどだけで考えるような近視眼的な検討では、後々の使い勝手、暮らしやすさに大きな影響を与えてしまいます。では、具体的な検討要素「5つの常識」を見ていきましょう。


常識その1:料理をする際に、どのような暮らしがしたいかを考える

キッチンと家族がくつろぐダイニングやリビングルームとの関係性は、主に3つのタイプに分かれます。それぞれに利点がありますので、お伝えしましょう。

独立キッチン(D)

料理をしている様子が見えにくく、匂いや音なども伝わりにくいタイプです。料理や家事に専念したい方、ゲストにキッチンを見せたくない方におススメです。一方、独立していますから家族とのコミュニケーションが取りにくく、孤立してしまうデメリットもあります。

独立型キッチン

ダイニングキッチン(DK)

家事をしている際にも、家族と顔を合わせ、会話が楽しめるタイプです。図では対面式ですが、壁付け(I型)、U型などのキッチンもあり、作業中、家族に背を向けるタイプもありますが、ここではダイニングと一体となる空間設計を指して解説しています。配膳もラクなのも特徴です。

対面キッチン

リビングダイニングキッチン(LDK)

家族やゲストとのコミュニケーションを大事にしたい方におススメのタイプです。リビングにくつろぐ人とも会話ができ、賑やかに楽しめます。

リビングダイニングキッチン

どんな暮らしがしたいのか。キッチンを見せる、見せないなど、どこに自分のこだわりがあるのか。そんな観点で、まず3タイプの中から空間づくりを選びましょう。


常識その2:料理をする際の、シーンを考える

壁付けキッチン

作業に集中しやすく、スペース効率もいいキッチンです。窓を設ければ、外の景色を眺めながら気持ちよく料理ができます。ただし、ダイニング・リビングでくつろぐ家族とは背を向ける形となります。

対面キッチン・カウンターキッチン

造作壁と組み合わせたタイプの対面式キッチンです。ダイニングとの間を適度に仕切ることで、作業に集中しながらも家族との会話が楽しめます。また手元が隠れるため、ゲストにキッチンをあまり見せたくないという方にもおススメです。

オープン対面キッチン(アイランド・ペニンシュラ型)

吊戸棚のないフルオープンタイプ。ダイニングやリビングとの一体感のあるキッチンです。いわゆる「見せるキッチン」ですから、デザイン性の高いキッチンが求められます。常に整理整頓することも求められます。

どのタイプが好みかは分かれるところですが、それぞれのメリット・デメリットに関しては、「【キッチン】空間や動線、機能性を考えてキッチンの種類を選ぼう!」を参照してください。


常識その3:キッチン内の動線を考える

上の図を参照してください。これはキッチンにおける動線を表したものです。使い勝手のいいキッチン(動線)にするための一つの組み立て方は、コンロ、シンク、冷蔵庫を結ぶ三角形の辺の合計を510㎝ほどにすること。そうすれば快適に作業ができるレイアウトになると言われています。360㎝~660㎝の間にすれば、バランスの良いキッチンとなるでしょう。

ちなみに頻繁に移動するコンロ、シンク、冷蔵庫を結ぶ三角形を「ワークトライアングル」と呼びます。


常識その4:通路幅とキッチンのサイズを考える

使いやすいキッチンにするためには、通路幅とキッチンの高さ、寸法を考える必要があります。

通路幅

通路幅は、一人で作業するならば90㎝程度。二人で利用するのならば、1m20㎝程度を確保しましょう。キッチンからダイニングへの配膳に使用する通路は、お盆を持って通れる幅80㎝程度が目安です。

キッチンの高さ

次に無理のない姿勢でキッチンを利用するためには、高さが重要になります。主にキッチンを利用する方の背丈に合わせましょう。以下の計算式が高さの目安です。

調理台のスペース

ゆとりを持たせることをおススメします。一般的には60㎝程度から90㎝程度ですが、一度につくる料理の量や使用する調理器具の大きさによっても異なります。まな板の大きさを基準に、作業スペース、仮置きスペースを考え、必要な広さを割り出すのも一つの方法です。十分なスペースが確保できない場合は、シンクに蓋をして作業スペースに変えることが出来るシンクサポートを利用すると便利です。

仮置きスペース

後から使う食材、調味料、調理器具などは調理台の奥に仮置きし、必要時に手前に移動させれば効率的

作業スペース

普段使用しているまな板の大きさを基準に、左右にゆとりが生まれる状態がベスト


常識その5:作業の流れを考える

キッチンで調理をする際の流れを考えましょう。一般的には、

  1. 冷蔵庫から食材を取り出し、
  2. シンクで洗い、
  3. 調理台で刻み、
  4. コンロで加熱調理し、
  5. 食器を取り出し、盛り付けし、
  6. 配膳する

となります。ですから、

「冷蔵庫(食品庫)」→「シンク」→「調理台」→「コンロ」を、右利きの人は右回りに、左利きの人は左回りに配置すると機能的になります。


まとめ

このように使い勝手のいい、機能的なキッチンにするためには、上記の5つの常識に沿って検討することが大切です。通路幅や高さ、利き手などによってもプランニング、そして機能性に大きな差が生まれますから、ぜひ参考にしてください。