家の中に神棚を祀っている、または新築を機に祀りたいと考える方もおられるでしょう。でも、いざ「神棚を祀ろう」と思っても、「どこに祀ればいいのか分からない」という方は少なくないのではないでしょうか。そこで編集部が、ある神社を訪ね、宮司さんにお話を伺ってきました。
質問はズバリ、「神棚はどこに祀ればいいですか?」。すると明確な回答と、意外な言葉が返ってきました。
目次
神棚の場所を決める際に参考にすべき5つのポイントはこれだ!
編集部:この度はお忙しい中、ご対応いただきましてありがとうございます。今回、お伺いしたいのは神棚について。家のどこに祀ればいいのかを、ぜひアドバイスしてください。
宮司さん:まず基本的な考え方をお伝えしましょう。神棚を祀る場所を決める際、次の5つのことを考慮してください。
- 見上げる高さに祀ること
- 家族が集まりやすい場所に祀ること
- 南向き、もしくは東向きに祀ること
- 人が頻繁に通る場所を避けること
- 水廻りに面する壁は避けること
編集部:なるほど。それが基本なのですね。それぞれに理由があると思いますが、教えていただけますか?
宮司さん:まず「見上げる高さに祀ること」ですが、人間が神様を見下ろすようになるのはよくありません。出来る限り、高く見上げる位置にお祀りしてください。 次に「家族が集まりやすい場所に祀ること」の理由ですが、神棚は家の中にある神社です。神社の本殿は、参道を歩んで行った先にある、“人が集まりやすい場所”に建てられています。ですから家の場合も、リビングなどの人が集まりやすい場所に祀るのがベターです。
編集部:寝室や書斎などに祀るのはよくないのですね。
宮司さん:いえ、悪いわけではありません。後にも述べさせていただきますが、自分たちが「この場所に祀ろう」と思った場所で結構です。これら5つの基本は、お祀りする場所に迷ったときの、いわば道しるべのようなものなので、必ず守らなければならないというものではないのですよ。
編集部:そうなのですね! では引き続き、ご説明をお願いします。
宮司さん:はい。「南向き、もしくは東向きに祀ること」ですが、東向きは朝日が昇り、南向きは南中する太陽の光が当たります。その光を受け止められる場所に神棚を祀るのが基本といえます。神社の多くが、東向きか南向きに建てられているのはそれが理由です。でも、これも無理する必要はありません。家の間取りや諸条件で、東向きや南向きにどうしても出来ない場合もありますよね。北向きや西向きだと良くないということではありませんから。
出来れば避けたい場所はあるものの、絶対にダメなわけではない
編集部:次からは、出来れば避けたい場所ですね。
宮司さん:「人が頻繁に通る場所を避けること」ですが、それは人が行き来する場所では落ち着かないということが理由です。ですから廊下はおススメしませんし、階段付近は人の行き来だけでなく、見下ろす形にもなりがちなので避けましょう。お祀りした場所の上に階があって人が通る場合は、神棚の上の天井に「天」「空」「雲」といった文字を書いて貼ってください。 最後に「水廻りに面する壁は避けること」ですが、水廻りは“気を流して”しまいます。家の気が集まる神棚の裏側に水廻りがあると、せっかくのエネルギーが溜まらず、流れて行ってしまいます。
編集部:なるほど。よく分かりました。これらを参考に神棚の場所を決めていけばいいのですね。先ほどおっしゃったように、これが絶対ではないと。
一番大切なのは直感! この場所が“いい気がする”という感覚を信じる
宮司さん:そうです。絶対ではありません。神棚を祀る場所を決める時に、何よりも重要なのは“直感”です。
編集部:直感ですか! 意外ですね。私の直感はアテにならないからなあ。。。
宮司さん:ははは。でも、何かここがいい気がするという気持ちってありますよね。先ほどもいいましたが、神棚は“気が集まる”場所なので、その気を感じることが大切。だから直感を信じて祀ればいいのです。
編集部:その他に気を付ける点はありますか?
宮司さん:まず玄関にお祀りするのも避けたほうがいいですね。玄関は神社で言うと鳥居に当たります。鳥居をくぐってすぐそばに本殿はありません。その奥にあるものです。ですから家でも玄関よりも奥の位置にするべきだと考えます。 あとは神棚と仏壇を向い合せにしたり、仏壇の上に神棚を置くことは避けてください。ちなみに同じ部屋に置くことは何ら問題ありません。 あ、それから神棚のサイズもきちんと図ってから家づくりされたほうがいいですよ。棚をつくったのはいいけれど、高さが合わなくてお祀りができないというような失敗談を耳にしたことがありますから。
編集部:それは大変! 意外と気づかずにやってしまいがちなことです。今日は貴重なアドバイス、ありがとうございました!
まとめ
神棚を祀る場所を決めるポイントは、
- 直感を大切にすること
- 見上げる高さに祀ること
- 家族が集まりやすい場所に祀ること
- 南向き、もしくは東向きに祀ること
- 人が頻繁に通る場所を避けること
- 水廻りに面する壁は避けること
- 玄関近くは避けること
- 神棚と仏壇は向い合せにしたり、仏壇の上に神棚を置くことは避けること
- 神棚のサイズを確認して設計すること
ぜひこれらのポイントを参考にして、新しいマイホームでも素敵な毎日をお迎えください。