「家づくりヒアリングシート」を利用して、家族の思いを書き出そう

注文住宅を建てるわけですから、その字のごとく「注文する」わけです。ここでいう注文とは、用意されたメニューの中から選ぶということではなく、「あなた(家族)のこだわりや実現したい暮らしを伝え、それを叶える家にしてもらう」ということです。

少し、たとえ話をしましょう。

あなたがクルマを買うとします。その際、クルマをどのようなシチュエーションで使用するのかを考え、クルマ選びをすることでしょう。「家族4人がゆったりと乗れて、ドライブや旅行に使いたい」などなど。そのうえで、自分の思いに合致する、または近しい性能やデザインの車種・メーカー、価格を検討し、購入するわけです。
クルマはもう製品として出来上がっていますから、超セレブでない限り、クルマの性能や仕様について、自分の好みやこだわりをあれこれ反映させてもらうことはできません。だから、ある意味、「あまり考えずに買える(言い換えれば、選ばざるを得ない)」わけです。

でも、注文住宅は違います。住宅会社によって得意・不得意分野はあるでしょうし、法規制などの制約はあるものの、注文住宅は、あなた(家族)の思いを自由に反映することができるのです。
だからこそ、「あなた(家族)の思いを明確化」する必要があるのです。


「家づくりヒアリングシート」を使ってあなたや家族の思いを明確化しましょう

簡単に言えば、「どんな家にしたいのか」「どんな暮らしを実現したいのか」を、まず自分自身(家族)が理解すること。でも、私たち「はじめて家を建てる」編集部が、これまで何100家族以上もの取材をした経験上、初めから「こういう家にしたい」と具体的に頭に描いている人は、ごく少数です。ほとんどの方が、「マイホームは手にしたいけど、間取りもデザインも、まったくノーアイデア」でした。

そこで活用していただきたいのが、「家づくりヒアリングシート」です。 このヒアリングシートは、「家族構成」「この家で叶えたい夢や希望、具体的にやってみたいこと」で構成されています。これらを記入していくことで、あなたが顕在的に実現したいことが示されるとともに、潜在的な憧れや夢も浮き彫りにしていくことができます。

家づくりヒアリングシート  PDFダウンロード


「家づくりヒアリングシート」を書く時のポイント

ここで大切なのは、予算や土地条件などの制約を無視して書くことです。頭の中で勝手に「こんなのは実現できないだろう」と枠をつくってしまうのではなく、それを一旦取り払って、思うことをすべて書き出してください。

現在だけではなく、将来、やってみたいこともどんどん想像を膨らませて書きましょう。書き記す希望や夢に矛盾があっても構いません。こうすることで、まったくノーアイデアだった家づくりへの思いがまとまり始め、家づくりの骨格が見えてくるようになります。

このヒアリングシートは、何度も読み返し、思いついたらまた追加(または削除)していきましょう。翌日、振り返って見ると新しい夢に気づくこともおおいにありますし、発見もあります。家づくりはじっくりと。慌てて進めて得することは何もありません。


まとめ

家づくりにおいて大事なのは、「漠然と家づくりをしないこと」です。この「ヒアリングシート」を活用し、慌てず、じっくりと自分の想いをすべて浮かび上がらせましょう。この作業をするかしないかで、満足度に雲泥の差が生まれます。

誰もが、「食べたいもの」を決めてから、お店選びをします。「晩御飯のメニュー」を考えてから、それに必要な食材を買います。今晩、何をつくろうか決めていないのに、適当に食材を買ってしまったら、「あり合わせのもの」しかできないでしょう。

家づくりも同じで、あなたが理想とする家のイメージがないままに、住宅会社に相談に行ったら、当然のごとく住宅会社の好みや感性、都合で家づくりが進みます。なぜなら、あなたに意見がないからです。

だからこそ、ヒアリングシートの活用が大事なのです。このヒアリングシートでの作業は、実は家づくりにおいて一番楽しいことのひとつ。「ああしよう、こうしよう」「あんなデザインもいいな、こんな部屋も欲しいな」と考えるうちに夢が広がっていきます。ぜひ、ヒアリングシートを使って、楽しい家づくりを始めてください。そして、心の奥底にあった理想を見つけてください