【スキップフロア】段差が生み出す魅力とメリットとデメリット

スキップフロア

一般的な家をイメージする際、普通は1階、2階、3階というふうに考えます。天井高は2400mmが主流ですので、各階それぞれに天井高はその数になるわけです。でも、中には「中2階」「中3階」という住まいも存在するのです。それが「スキップフロア」。今回はそのスキップフロアの魅力をお伝えしたいと思います。

スキップフロアの家・カタログ


縦の空間を巧みに生かすことで、快適な暮らしを生むスキップフロア

改めて説明しますと、スキップフロアとは「床面の一部の高さを変えた部分を持たせた空間構成」のことを指します。前述のような「中2階(1.5階)」「中3階(2.5階)」がスキップフロアではよく見るパターンですが、特に高さの決まりがあるわけではありませんので、外から見ると2階建てのような家でも、中は4層、5層になっているプランも存在します。

ミサワホーム・CENTURY Stylepro
4層2階建の住まい。ミサワホーム「CENTURY Stylepro」

スキップフロアの家は、縦の変化に富み、デザイン性が高く、とても人気があります。また暮らしやすさも応援してくれるので、新しい家づくりでは、ぜひ検討するといいでしょう。ハウスメーカー各社もスキップフロアに力を入れて、それぞれ魅力あるプランを提案していますので、ぜひ参考にしてみてください。


暮らしのアイデアが詰まった、ハウスメーカーのスキップフロアプラン

数あるハウスメーカーの中から、今回は3社をピックアップしてみました。どのプランも個性があり、とても機能的で、快適な暮らしを届けてくれます。スキップフロアの利点を生かした各社の特徴をお伝えしていきますので、さらに詳しい内容が知りたい方は、カタログを請求するか、各商品の特設サイトを閲覧してください。


1.ヘーベルハウス「STEP BOX クロスフロアのある家」

ヘーベルハウス。スキップフロア
ヘーベルハウス「STEP BOX クロスフロアのある家」

「STEP BOX クロスフロアのある家」の特徴は、2階リビングの床下を少し下方向にシフトしたこと。こうすることで1階と2階の中間に、天井の高い開放的なリビングが誕生します。また、吹き抜けを中心に空間をつなげることで、心地よい光と風と眺めが、どの空間からも手にすることができるのです。

限りある敷地であっても、広々とした伸びやかな暮らしを手にする方法が、この「STEP BOX クロスフロアのある家」。家族とのつながりもより強くなり、素敵な暮らしを実現することができます。


2.三井ホーム「スキップフロアを愉しむ家 スカーラ」

三井ホーム・スキップフロア
三井ホーム「スキップフロアを愉しむ家 スカーラ」

この住まいの特徴は、スキップフロアによって生まれたそれぞれの空間の役割が、暮らしのシーンによって変化し、受け止めてくれるところにあります。たとえば、読書していた場所が、ある時間では夫婦の語らいの場所になる。テレワークで仕事を片付けていた空間が、家族との会話を楽しむ空間になる、といった具合です。

このようにそれぞれの空間を階段でゆるやかに結ぶことで、“多様な使い方”が生まれ、家族それぞれのお気に入りの場所や居心地のいい場所がもたらされるのです。今日はどこで何をしようか。今日は誰と一緒に過ごそうか。そんなわくわくに毎日が包まれる。それが「スキップフロアを愉しむ家 スカーラ」なのです。


3.ミサワホーム「蔵のある家」

ミサワホーム・蔵のある家
ミサワホーム「蔵のある家」

「蔵のある家」は、その名の通り、室内空間に「蔵」スペースを設けたものです。家づくりをする際、多くの方が希望し、プランニングに苦労するのが「収納スペース」。たくさん設けたいものの空間の制約上、なかなか思うように実現できなかったり、大きな荷物を収納できる場所を設置できずに困ってしまうというケースは少なくないようです。

そこでスキップフロアを巧みに利用し、大容量の収納空間を実現したのが「蔵のある家」。蔵(収納)の場所は、利便性の高いリビングやキッチンなどに隣接させる「リビングタイプ」、階の間の踊り場や廊下に設置する「ホール出入口タイプ」、リビングや玄関などと連続して設ける「土間タイプ」、さらにはデッドスペースになりがちな小屋裏を活用する「小屋KURA」と用途や好みによって選ぶことができます。蔵があれば、いつもスッキリ、思い出も捨てることなく楽しく暮らせます。

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スキップフロアのメリット

ご紹介した3つの商品のように、スキップフロアは楽しく快適な暮らしを届けてくれますが、メリットもあればデメリットも存在します。まずはメリットからお伝えしましょう

2階建てでも3層以上のフロアを実現できる

建物に高さ制限が設けられている土地もありますが、そんな場合でもスキップフロアなら3層以上のフロアを確保することが可能です。

視覚的に広く感じる

空間を数段の階段で上下にスライドさせると視線が異なるため、空間が広く感じられます。

安心感がある

それぞれの空間で過ごす家族と緩やかにつながることができ、会話もしやすく、安心感が生まれます。

とにかくおしゃれ

デザイン性に優れた、他の家にはないおしゃれさが感じられます。

風通し・採光がよくなる

スキップフロアの特徴を生かし、窓の配置計画を上手に行えば、風通しや採光のいい住まいが完成します。

階段下を有効活用できる

スキップフロアの下部を収納にすることで、スッキリと暮らすことができます。

土地に高低差がある場合に有効

高低差のある傾斜地の場合、スキップフロアを活用することで土地を最大限に有効活用できます。

狭小地でも無駄なく空間設計できる

スキップフロアは壁で部屋を囲まず、基本的に廊下も作らないことから、その分、空間を有効活用することが可能となります。

圧迫感が無くなる

前述の通り、壁を設けないことから圧迫感が無くなり、開放的な空間に仕上がります。


スキップフロアのデメリット

エアコンの効きが悪くなることも

壁がなく、空間がつながっていることからエアコンの効きが悪くなる可能性もあります。断熱や空調計画はしっかりと行いましょう。

建築コストが高くなりがち

階段が多くなることで材料コストがアップしたり、床を含めた施工の手間もかかるため、建築コストが高くなる傾向があります。

設計・施工にはノウハウが必要

デザイン性はもちろん、機能的な空間構成に仕上げるためには、しっかりとしたプランニングが必要となります。ノウハウの少ない建築会社に頼むと、音が丸聞こえになる、プライバシーが確保されないなど、暮らしにくい家になってしまう可能性があります。

バリアフリーではない

一般的な家よりも段差が多くなるため、年齢を重ねたときには暮らしにくさを感じてしまうかも知れません。

掃除が面倒

ステップごとに掃除機を持ち上げる必要があり、掃除がしにくかったり、面倒になりがちです。お掃除ロボットにも不向きです。

ただの物置になってしまうことも

きちんとしたプランニングを行わないと、各フロアがそんなに広く設計できない分、「結局は物置になってしまった」ということも。使い勝手のいいプランを心掛けましょう。

自治体によっては認められない場合もある

高さが1.4メートル以下で、設置されている床の面積2分の1未満のスキップフロア(収納スペース分)であれば床面積としてカウントされないことが一般的ですが、床面積として算入するルールを採用している自治体やスキップフロア自体を認めない自治体があるので注意が必要です。

固定資産税がアップする

固定資産税は、「床面積=家の価値」として計算されるため、通常の平屋や2階建て、3階建ての住まいより床面積が多くなるスキップフロアは、その分高くなります。


まとめ

いかがでしたか。メリットもあればデメリットもありますので、しっかりと考慮しましょう。記事にも書いていますが、スキップフロアはプランニング、施工の両面で高いノウハウが必要となります。依頼する建築会社はスキップフロアの実績が豊富なのかどうかがとても重要になりますので、打ち合わせの段階から確認することをおススメします。

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