パントリーとは、キッチン周辺に配された小さな倉庫のこと。食品庫ともいいますが、食品だけでなく、あまり使わない食器や調理用家電製品などを置くスペースとしても利用できる、とても便利な空間です。これがあるのとないのとでは、「家事効率は大違い」という声をよく聞きます。
※「【収納】量や間取りも重要!一戸建てでスッキリ暮らすためのアイデア」も参照ください。
でも、単にキッチン近くに設ければいいというものではありません。空間の大きさや動線、さらには収納棚の設置の善し悪しで、逆に使い勝手が悪くなることもあります。そこで今回は、パントリーを便利に使いこなすためのポイントをお伝えしたいと思います。
これを参考にすれば、新しい家での家事、料理がより楽しくなることでしょう。散らかりがちだったキッチン周りも片づき、すっきりと気持ちよく暮らせますし、ゲストが訪れた時に恥ずかしい思いをすることもなくなります。
目次
メリットがたくさん! 新築計画時にはパントリーを検討すべし!
まずは、パントリーのメリットとデメリットをお伝えしましょう。
パントリーのメリット
- 一番のメリットは何と言っても収納力。ストックの食材や飲み物をはじめ、調味料や調理器具、調理用家電製品など、キッチンに関するあらゆるものが仕舞えるため、便利にすっきりと暮らせる
- 共働きなど忙しいご家族にとっては、まとめ買い(買い置き)がしやすくなる
- 万が一の災害時の非常食や備蓄品を置くスペースに活用できる
- レンジや炊飯器など調理用家電製品を置くことで室内の生活感がなくなり、お洒落に暮らせる
- カウンターを設ければ、ちょっとした作業や趣味が楽しめるミセスコーナー(書斎)にもなる
パントリーのデメリット
唯一のデメリットと言えるのが広さ。キッチン近くに広いスペースが必要となり、結果として限られた敷地条件の場合、他の空間を圧迫しかねない。
しかし、相対的に見てパントリーを設けるほうがメリットは大きいようです。料理が大好きと言う方はもちろん、忙しい家族も応援してくれる空間といえるでしょう。では次に、パントリーの位置についてお伝えしていきたいと思います。
生活スタイル、空間条件にあったパントリーを選ぼう!
パントリーを計画する際は、まずご自身の生活スタイルを整理することが大切となります。日々の家事(特に調理)の中で、どのような動きをしているのか、どんなものが必要で、使用頻度はどのくらいかなどを、しっかりと洗い出しましょう。そうすることで
- どこに何を仕舞えば便利なのかが分かる
- 持っているもの、新たに購入すべきものの整理がつく
- 万が一の災害時の非常食や備蓄品を置くスペースに活用できる
- キッチンとパントリーとの位置・距離関係が見えてくる
これらをベースにパントリーを計画していきましょう。どのタイプのパントリーにも共通することが、
- キッチンの近くに設置する。しかし使用頻度を考えて、食器棚や冷蔵庫はパントリーよりもキッチン寄りに配置
- 買い物帰りの動線を考え、配置する。玄関(勝手口) → パントリー → キッチン
※詳細は「ウォークスルー型パントリー」であらためて解説します。
では、以下に代表的なパントリーの間取りと、便利・快適に使えるアイデアを示しますので、ご自身に合うもの、近いものを参考にしてみてください。
壁付けパントリー
パントリーのためにあまり空間を取れない場合におススメです。ウォークイン型ではないため、そこまでの広さは必要としません。これなら気軽に設置できるのではないでしょうか。ポイントは、
- 可動式の棚を設ける
- 棚の奥行きは40センチを目安に。それ以上、深くなると奥にしまったものが取り出しにくいだけでなく、デッドストックになりがち。賞味期限切れも発生しやすくなる
- 棚の下部は、米や水など重いものを収納。大きなものを仕舞える高さを確保する
- 目隠しの意味から扉を設けるほうがベターだが、スペースがない場合はロールスクリーンで代用することも一つのアイデア
広い(独立型)パントリー
パントリーとして広いスペースを取る、ウォークイン型のプランです。広々としているため収納力にゆとりがあるので、使い勝手が広がります。ポイントは、
- 広さによっては調理用家電製品だけでなく、冷蔵庫も置くと、より室内空間に生活感が出ない
- 扉を付けるのもいいが、入り口をアーチ状にするなどデザイン性にこだわれば、よりお洒落な空間となる
- 広さを生かしてカウンターを設ければ、ちょっとした仕事や趣味を楽しめるミセスコーナーが併設できる
- 冷蔵庫などを置くと熱がこもりがちになるので、換気扇などの設置も検討すると良い
- 広ければいいというものではないので、適切な広さを吟味する
ウォークスルー型パントリー
パントリーを通って移動できるプランが、ウォークスルー型です。動線の流れがいいので、とても機能的に利用できます。ポイントとしては、
- 玄関(勝手口) → パントリー → キッチンという動線にする。そうすることで買い物から帰ってきたときに、パントリーにストック品を置き、冷蔵庫に食材を入れるという作業が流れるようにできる
- パントリーに土間スペースを設ければ、土がついた野菜置き場として重宝する
- ウォークスルー型の場合、壁が少なくなる分、収納力が落ちることをあらかじめ計算してプランする
2階のキッチンに便利なアイデア
2階にキッチンがある場合、ゴミや保存野菜の置き場に困りがち。それを解決するために、サービスバルコニーを設けるアイデアです。勝手口の前にパントリーを併設すれば、内外の両方を活用できますし、外気の侵入も防ぐことができます。
まとめ
いかがでしたか? パントリーを計画する際のポイント・アイデアは、
- パントリーは、設置メリットが多い
- 計画の際は生活スタイルを洗い出す
- 主にパントリーには、壁付け型、独立型(ウォークイン)、ウォークスルー型がある
パントリーは便利な家事、すっきりとした暮らしを力強く応援してくれる空間です。敷地条件に限りがある方でもぜひ工夫して、パントリー空間を設けてみてはいかがでしょう。