地球環境への取り組みやエネルギー問題が深刻化する中、省エネルギーな住宅を建てることは、今後必須になりそうです。とはいえ省エネな暮らしには、住宅性能だけでなく、生活を支える家電の性能も大きな影響を与えます。今回はマイホームを実現する機会に、家電を買い替えるという選択肢の大切さを解説したいと思います。
目次
一台当たり、年間数千円もお得に! 地球環境にも貢献できる!
では、最新の家電に買い替えることで、どれほどの省エネ効果が生まれるのでしょうか。10年前の機器と比較してみます。 ※東京都環境局「家庭の省エネハンドブック2022」より
冷蔵庫(定格内容量:401~450ℓ)
- 年間消費電力量…440~500kWh → 270kWh ◎170~230 kWh省エネ!
- 年間電気代…1万1880円~1万3500円 → 7290円 ◎4590円~6210円お得!
- 年間CO2排出量…206~235㎏ → 126㎏ ◎80~109㎏削減!
エアコン(冷房能力:2.8kW)
- 年間消費電力量…904kWh → 758kWh ◎146 kWh省エネ!
- 年間電気代…2万4430円 → 2万470円 ◎3960円お得!
- 年間CO2排出量…425㎏ → 356㎏ ◎69㎏削減!
【出典】「しんきゅうさん」の「かんたん比較」により試算(同能力・サイズ)
●購入前→購入年:2011年 メーカー・型番:不明 ●買替後→「省エネ性能カタログ2021年版」資源エネルギー庁に掲載された製品かつ「しんきゅうさん」の「かんたん比較」で選択可能な製品のうち、最も省エネ性能が高い製品
照明(LED電球)
- 1年間で…◎約368kWhの省エネ! ◎約9700円の電気代がお得!
※白熱電球(54kW)が4個ついた照明器具をLED電球(8W)に交換し、1日5~6時間(年間2000時間)使用した場合
いかがですか? 照明器具一台当たり、年間数千円も差が生まれるなんて驚きですよね!
家庭用給湯器も、より効率の高い製品が増えている!
家庭用給湯器もエネルギー消費の多い機器です。住まいを建てる際は、ぜひ高効率給湯器をチョイスすることをおススメします。
- エコキュート(CO2冷媒ヒートポンプ給湯器)…大気中の熱を取り込んでお湯を沸かす、熱効率の高い省エネルギー機器
- エコジョーズ(潜熱回収型ガス給湯器)…ガスでお湯をつくる際の排熱ロスを抑えた給湯器。使用するガス量が従来より約13%少なくて済む
- エコフィール(潜熱回収型石油給湯器)…排ガスの中の熱を回収して再利用する石油給湯器。灯油の使用量を節約し、CO2の排出量を削減することができる
- ハイブリッド給湯器…瞬時にお湯をつくるエコジョーズと大気中の熱を利用するエコキュートを組み合わせた給湯器
- エネファーム(家庭用燃料電池)…ガスから水素を取り出し、空気中の酸素と反応させることで発電し、その時に出る熱でお湯をつくるシステム
買い替え購入する際はラベルをチェック!
では、買い替え機器を選ぶ際のポイントをお伝えしましょう。
製品カタログを見る際は、
- 省エネルギーラベルを見て、“緑のマーク”の製品を選ぶ
※省エネ基準を達成すると緑色、未達成の場合はオレンジ色で表示
※省エネ基準達成率とは、その製品がトップランナー基準値をどれくらい達成しているかを%で示しています。数値が大きいほうがより省エネ性能が高い製品です
お店で見る際は、
- 統一省エネラベルをチェック
- ★の数が多く、
- 省エネルギーラベルが緑色、
- 年間目安エネルギー料金が安い
製品を選ぶとよいでしょう。
※対象機器…エアコン、照明器具、テレビ、電気冷蔵庫、電気冷凍庫、電気便座、電気温水機器、ガス温水機器、石油温水機器
さらに、
- エアコン…エアコンの省エネ性能は、APF(通年エネルギー消費効率)で示されている。APFの値が大きいほど省エネ
- テレビ…部屋の広さに合ったサイズを選ぶ。最近の液晶テレビは、LEDバックライトを採用するなどで消費電力を削減している
- 冷蔵庫…24時間・365日使うものなので、買い替えで大きな省エネに
東京都なら「東京ゼロエミポイント」を賢く利用しよう!
ちなみに東京都では、一定の基準を満たす対象機器への買い替えに対し、商品券等に交換可能な「東京ゼロエミポイント」を付与する事業を行っています。これを賢く利用すれば、お得に省エネ性能の高い機器に買い替えができます。
夢のマイホームを手にする機会を利用して、ぜひ、さらなる省エネの暮らしを手にしてください。