洗濯は、ほぼ毎日する家事の一つです。でも、忙しい日や雨の日が重なると、どうしてもおっくうになったり、洗濯物がたまりがちになります。そんな時、力強い味方になってくれるのがランドリールーム・洗濯室。でも、せっかくのランドリールーム・洗濯室が使いにくかったり、家事動線の悪い場所にあると、さらに洗濯が面倒になってしまいます。そこで今回、賢く、実用的で、機能的なランドリールーム・洗濯室をつくるための“失敗しないポイント”をお伝えしたいと思います。これをしっかり押さえておくのと、おかないのとでは毎日の暮らしに雲泥の差が出てしまいます。ぜひチェックしてください。
目次
マルチな役割を持つ、家事を楽にしてくれる助っ人的存在
そもそもランドリールーム・洗濯室とは、どういう役割の空間なのかをお伝えしておきましょう。ランドリールーム・洗濯室は、その名の通り、「洗濯機を置いて、洗濯をする場所」ではありますが、それだけではありません。洗濯(洗う)をした後の「干す」「畳む」「アイロンをかける」など、洗濯に関する一連の作業全般を行うことができるスペースのことを指します。まさにマルチな役割を担い、とても役立つことから「ユーティリティルーム(スペース)」とも呼ばれます。
このようにさまざまな機能が一つの空間に詰め込まれているため、しっかりと計画しないと逆に使い勝手が悪くなる場合もあります。それではランドリールーム・洗濯室に「何を用意すればいいか」「どんなことに気を付ければいいのか」を、順を追って解説していきましょう。
干す:通風と生活動線をしっかりと考慮することが重要!
ランドリールーム・洗濯室に干す機能(室内干しポール・ワイヤー)を設けることで、以下のようなメリットが生まれます。
- 雨の日でも干して乾燥させることができる
- 共働きなど忙しいご家庭にとって、取り込み時間を気にしなくて済む
- 黄砂や花粉、粉じん、排気ガスなどを気にすることなく干せる
- 洗濯物をリビングなどに干さなくて済むためすっきりと暮らせ、急な来客にも焦らなくて済む
いかがですか? 高性能の洗濯乾燥機があっても、「やっぱり干したほうが気持ちいいし、シワにもなりにくいから干したい!」という方も少なくないことでしょう。たとえ天気が良くても「外干しは隣家の目が気になる」という方もいると思います。そんな方にもランドリールーム・洗濯室は心強いサポーターとなってくれます。
ただし、以下の注意点(ポイント)を押さえておく必要があります。
- 通風をしっかりと考慮する。窓・換気扇をきちんと計画しないと、なかなか乾かなかったり、生乾きになることも考えられます。
- 物干しポールは風のよく当たる場所・角度を選んで設置する。湿度が高い季節のために扇風機や除湿器、エアコンなどを検討するのもいいでしょう。
- できれば日当たりのいい場所にレイアウトする。しかしながら日当たりのいい場所は、リビングなど暮らしの頻度が高い場所を優先したいもの。そのバランスをしっかりと考えましょう。
- トップライト(天窓)も検討する。ただし、空間もそれほど広くなく、締め切りがちのランドリールーム・洗濯室では「暑くなりすぎないか」という点も考慮し、検討しましょう。
- 室内干しだけでなく、外干しする時の動線も考える。ランドリールーム・洗濯室から外干しのバルコニーなどへの動線が不便だと本末転倒。洗濯動線全体を見て、レイアウトしましょう。
畳む:カウンターは作業しやすい広さ、高さに注意!
次に「畳む」ですが、ランドリールーム・洗濯室に畳める機能(カウンター)を設けることで、以下のようなメリットが生まれます。
- 洗濯物を取り込んだ後、いちいち畳める場所(リビングや和室など)に持って移動することなく、効率よく家事ができる
- 後でしようと、乾いた洗濯物がソファなどに溜まったりしない
ただし、以下の注意点(ポイント)を押さえておく必要があります。
- 畳みやすいカウンターの広さを計算し、確保する。洗濯物の量も考慮。カウンターからはみ出て畳みにくい、一時置きする場所がないなど使い勝手が悪いと、結局、別の部屋に持っていって畳むことになります。
- 作業は誰がするのかを考える。メインで畳む作業をする人の背の高さに合わせたカウンターを設けましょう。またお子様と一緒に畳むなど、家事を手伝わせたい場合は、2人並んでも作業できる広さを確保しましょう。
- 収納も計画する。生活スタイルやバス・トイレなどとの距離によっても異なりますが、タオルや下着を仕舞える収納をつくっておくと、その場ですぐに片付けられて便利です。どこに何を仕舞えば便利かをきちんと計算して、計画してください。
アイロンをかける:コンセント位置も確認! 夏場の暑さ対策も!
次に「アイロンをかける」です。ランドリールーム・洗濯室にアイロンがけ出来る機能(アイロン台)を設けることで、以下のようなメリットが生まれます。
- 洗濯物を取り込んだ後、すぐにその場で効率よくアイロンがけができる
- アイロンはもちろん、アイロン用スプレーのりなどを仕舞う棚や収納を設けておくと無駄な動きが少なくなり、アイロンがけがスムーズで便利に
ただし、以下の注意点(ポイント)を押さえておく必要があります。
- 収納計画は緻密に計算し、立てる。ランドリールーム・洗濯室で必要な小物がしっかりと仕舞える収納計画を立てましょう。頻繁に利用するものは手が届きやすい場所に置けるようにするなどの配慮も大切です。
- エアコンを検討する。夏場のアイロンがけは暑くて大変です。エアコンの設置も検討するといいでしょう。
- アイロン台を造作。アイロン台を折り畳み式で収納できるものを造作すると、より空間を有効活用することが可能に。また、アイロンを、洗濯を畳むカウンターで済ませる共用タイプにするのもアイデアの一つです。
- コンセントの位置を計算。アイロンのコードの長さを十分に計算し、コンセント位置を決めましょう。
その他:引き戸やミニシンクなど、細かなプラスαが快適さを左右
上記は、「干す」「畳む」「アイロンをかける」の各項目からメリットや注意点を見ていきましたが、快適・便利なランドリールーム・洗濯室を設計しようと思うと、さらに細やかな気遣い、アイデアを盛り込むことが重要となってきます。それらポイントを以下に示します。
- できれば3帖以上に。風通しのよさ、動きやすさを考えると3帖以上の空間を確保することをお勧めします。
- 引き戸にする。引き戸なら開けっ放しにしやすく、風の通り道を確保しやすくなります。また、ランドリールーム・洗濯室は手に荷物を持ったまま出入りすることが少なくありません。引き戸なら開けやすいので便利です。
- 窓は2か所以上が基本。窓の大きさよりも、風が抜けていく配置が重要です。
- キッチン横に設けると便利。ご家庭によって生活動線は異なりますが、一般的にキッチンの横にランドリールーム・洗濯室、洗面・浴室を設け、さらにバルコニーへの動線が短ければ、より機能的に家事をこなすことができます。配置が悪いとランドリールーム・洗濯室へ行くのが面倒になり、使わなくなってしまいます。生活動線をしっかりと見極め、配置しましょう。
- プライバシーを確保。当然、洗濯物は他人には見せたくないもの。来客から目が届かない配慮を施しましょう。
- 壁や床は水に強く、掃除しやすい素材を選ぶ。塩ビタイルなどクッション性もある素材だと、長時間立っていても疲れにくいメリットがあります。
- 洗面と離れている場合は、小さなシンクも用意する。水が使えるのと使えないのとでは、家事効率に大きな差が生まれます。
まとめ
ランドリールーム・洗濯室を設け、洗う、干す、畳む、アイロンがけする、仕舞うが一連の流れでできると家事効率はぐんとアップしますし、「後からやろう」というさぼり癖もあまり顔を出さなくなることでしょう。
まとめとしては
- ランドリールーム・洗濯室を設けるとさまざまなメリットがある。
- ランドリールーム・洗濯室を計画する際には注意点がいくつかある
- ちょっとした配慮やアイデアの違いで、利便性や快適性が左右される
ぜひ注意点・アイデアなどを参考に、便利で快適なランドリールーム・洗濯を実現させてください。