※画像提供:Tagle住まい
玄関は、外観デザインとともに“我が家の顔”ともいわれている場所です。そこの印象ひとつで家族はもちろんのこと、訪れるお客様の心の豊かさを左右しますし、何より住まう人のセンスが如実に表れます。だからこそ玄関のプランは、決して手を抜いてはいけないのです。
でも、リビングやダイニングなどでのインテリアを含めた空間デザインは、何となくイメージできても、玄関となれば、「どうすればお洒落になるのかピンと来ない」という方も少なくないでしょう。インテリア雑誌やWEBサイトを見ても、お洒落な玄関を紹介したものは圧倒的に少ないですから、仕方がないのかも知れません。
そこで当編集部は、お洒落なデザイン玄関が、誰でもきちんとプランニングできるように、そのポイントをまとめました。これを読み、画像を見比べれば、あなたも容易にお洒落デザイン玄関を手にすることができます。
玄関が美しければ、毎朝、「さあ、今日も頑張って行こう!」と思えますし、帰宅時も「心地よい我が家に帰ってきた」と思えます。美しい玄関が、あなたを迎え、包んでくれるのです。友人からも「お洒落だね!センスあるよね!」といわれる素敵な玄関を、この記事を参考にぜひ実現してください。
目次
- 1 ドアを開けて玄関を眺めたとき、そこが一枚の絵画となるように!
- 2 アイデアその1:間接照明を上手に使いこなす
- 3 アイデアその2:アクセントウォールを用いる
- 4 アイデアその3:三和土(タタキ)の素材を変える
- 5 アイデアその4:上がり框(あがりかまち)に変化をつける
- 6 アイデアその5:ニッチスペースを設え、小物などを飾る
- 7 アイデアその6:天井をひと工夫する
- 8 アイデアその7:借景を取り入れる
- 9 アイデアその8:地窓を設ける
- 10 アイデアその9:ベンチをデザインする
- 11 アイデアその10:階段をデザインとして採り入れる
- 12 アイデアその11:土間を広くして接客スペースも設ける
- 13 アイデアその12:応接室とつなげる
- 14 アイデアその13:通り土間とつなげる
- 15 アイデアその14:和モダンなインテリア
- 16 アイデアその15:収納も計画する
- 17 まとめ
ドアを開けて玄関を眺めたとき、そこが一枚の絵画となるように!
その空間がまるで美しい絵のように、整ったバランスで組み立てていく。これが玄関をプランニングするときに一番大切なことです。絵画にもいろんな要素が含まれていますが、必ず目を引く部分があるものです。玄関も同じで、あれやこれやと詰め込むことで要素のバランスが悪くなってしまうと、「なんだかごちゃごちゃしているな」という印象に仕上がってしまいます。また逆に要素がないと味気ない、殺風景なありきたり玄関になってしまいます。
一般的な日本の家の場合、玄関をそれほど大きく設計することは難しいでしょう。ですから、まず大事なのは
目を引くポイント(フォーカルポイント)を定めること。
それ以外は、美しく整えながらも、控えめな演出を心がけるといいでしょう。もちろんさまざまな要素を巧みに組み合わせることで高級感を生み出すこともできます。その場合、バランスを整えるのが難しいので、住宅会社の設計士やデザイナーなどと、しっかりと相談・打ち合わせすることをおススメします。
では、具体的にはどのようなフォーカルポイント&演出が効果的なのか、画像を見ながら解説していきましょう。
アイデアその1:間接照明を上手に使いこなす
玄関は比較的、暗くなりがちな場所。ですから照明は必要となりますが、そんな暗くなりがちな場所をお洒落に彩るためのアイデアの一つ目は、「間接照明」を用いることです。足元や天井裏などに仕込み、床や天井、壁などに光をあてることで、まるでラグジュアリーホテルのような雰囲気を醸し出すことができます。また、間接照明ではなく直接光を空間全体に広げたい場合は、ダウンライトを用いると空間がすっきりとしますし、それらを絵画や生花にあてることで、フォーカルポイントをより引き立たせる効果が生まれます。
アイデアその2:アクセントウォールを用いる
二つ目のアイデアは、フォーカルポイントにアクセントウォール(飾り壁)を用いること。壁の一部にタイルや石、木材、クロス(壁紙)などをあしらって、空間にメリハリをつけ、高級感を感じさせる手法です。石、木などの自然素材系は、空間にナチュラルな印象を与えてくれます。またモザイクタイルを用いると、ぐっとお洒落感が増すことうけあいです。ウォールに赤や青などの鮮やかなアクセントクロスを採用すると、住まう人の高いデザインセンスが表現されます。日本では比較的大人し目の色合いが好まれますが、欧米スタイルのようなセンスに自信のある人は、チャレンジしてみるのもいいかも知れません。
アイデアその3:三和土(タタキ)の素材を変える
三和土(タタキ)とは、玄関の床の部分です。三つ目のアイデアは、ここにタイルや石を表現するということ。三和土に彩りを加えると、一気に上質感が高まります。大切なのは、玄関空間のデザインテイストを壊さない素材を選ぶことです。和の趣きのある空間にモダンな素材を合わせてしまうとアンバランスになりがちで、逆も然り。素材選びには気を付けてください。
アイデアその4:上がり框(あがりかまち)に変化をつける
一般的な玄関の場合、上がり框は直線です。そのほうが施工も楽ですし、コストも抑えられます。しかしここに曲線などの変化をつけると、他の玄関ではあまり見られないオリジナリティ豊かな空間が完成します。写真を見ても分かるように、空間に奥行き感が生まれ、ゆとりを感じさせてくれます。
アイデアその5:ニッチスペースを設え、小物などを飾る
五つ目のアイデアは、ニッチスペースです。ニッチスペースは小さなオブジェや観葉植物を置くなど、空間にちょっとしたアクセントをつけるには打ってつけの設えです。ニッチスペースに置くものがより映えるように、間接照明を採用するのも素敵な空間に仕上げるアイデアのひとつ。そこに飾るものが住まう人のセンスや嗜好を表現し、お客様に人となりの一端をお伝えすることにもつながります。
アイデアその6:天井をひと工夫する
床をこだわるなら、天井もこだわる。美しい玄関を生み出すアイデアの六つ目は、天井の設えです。ここに木やクロスを用いることで、落ち着きのある空間に仕上げることができます。ただし、天井は頭の部分ですから、色味が濃くなればなるほど圧迫感を与えることにもつながります。空間の広さ、天井高も考慮しながら検討してください。
アイデアその7:借景を取り入れる
玄関ドアを開けると、その先に借景が展開されているパターン。暗くなりがちで、奥行き感も比較的乏しくなってしまう玄関を、明るく広々とした心地よい空間に仕立てるアイデアです。これは単に玄関だけでなく、庭の位置など家全体の設計に関わってくる手法ですから、家づくりの計画当初から検討しておきましょう。
アイデアその8:地窓を設ける
地窓とは、床面に接して設けられた窓のこと。明り取りの他、外に植えられた植物などを借景として取り入れることができるアイデアです。プライバシーを守りながら自然光を招き入れるという点では、高窓(ハイサッシ)を採用するのもいいでしょう。暗くなりがちな玄関が、明るい心地いい空間に変わります。地窓の外にライトを仕込んでおくと、夜に植物をライトアップさせることができ、夜の玄関をよりお洒落に楽しむこともできます。
アイデアその9:ベンチをデザインする
玄関にベンチを設けるアイデアです。ベンチも単なる腰掛ではなく、まるでインテリアのように設えれば、玄関の印象は大きく変わります。もちろん靴の脱ぎ履きにも便利ですし、昔の家の土間や縁側のように、ちょっとした来客を対応する時にも活躍してくれます。
アイデアその10:階段をデザインとして採り入れる
リビング階段が人気ではありますが、一般的に階段を玄関から便利につなげるプランはとても多いもの。ただ、普通に階段が見えてしまうと生活感が出てしまい、お洒落とは程遠い結果となってしまいます。そこでおススメなのが、階段そのものをデザイン化すること。そのうえで玄関と一体化させれば、洗練された空間に仕上がります。まるでショップのような空間は、観葉植物や置物もよく映えます。
アイデアその11:土間を広くして接客スペースも設ける
土間部分(三和土部分)を広くすることでゆとりが生まれ、そこは単なる玄関ではなく、お客様を接客するウェイティングルームとなります。わざわざ室内に入っていただくほどのことでもない接客は、ご近所付き合いをしていると意外とあるもの。そんな時に活躍してくれるのです。また空間が広いので玄関をひとつの居室のように捉え、第2のリビングとして椅子やテーブルを置き、くつろぎの場として楽しむことも可能です。
アイデアその12:応接室とつなげる
玄関を応接となるリビングルームや、お客様をおもてなしするダイニングルームにつなげるアイデアです。日本におけるリビング・ダイニングルームは、家族との時間を過ごす空間ですが、欧米の暮らしにおいてリビングはお客様をお招きする場所であり、ダイニングルームはお客様にお食事などのおもてなしをする空間。お客様をプライベート空間にお通しすることなく招く場所なのです。玄関(エントランスホール)とリビング・ダイニングをつなげるこのアイデアは、まさに欧米の生活様式を採り入れたもの。ちなみに家族用は、ファミリールームとして、一般的にはキッチンの横に家族専用のくつろぎ&食事の空間が設けられます。
アイデアその13:通り土間とつなげる
通り土間とつなげることで生活動線がとてもよくなります。また空間にゆとりが出るため、伸びやかさが感じられるとともに、「アイデア11」でもお伝えしましたが、ちょっとした来客にも対応できます。土間の奥に置いてある自転車などもスムーズに取り出し、出かけることができます。
アイデアその14:和モダンなインテリア
和の趣きの玄関に憧れを抱く人も少なくありません。和は住まう人、お客様の心を和ませてくれる効果があるといえます。まるで高級料亭や旅館に来たかのような贅沢さを与えてくれるのです。腰板や天井の設え、床の間を思わせる飾り棚、御影石など、用いる素材、技法が玄関の善し悪しを左右しますし、住宅会社によっては“不得手”ということもありますので、十分に相談しましょう。
アイデアその15:収納も計画する
玄関は、日々使用する場所です。ですから出かける際、そして戻った際に便利に“収納”できる場所も併設しておくと便利です。詳しくは“玄関収納として欠かせない「土間収納」をつくるときの5つのポイント”を参照してください。
まとめ
いかがでしたか? まとめとしては
- 玄関は“我が家の顔”である。
- 美しく機能的な玄関デザインに仕上げるための15のアイデアがある
冒頭にもお伝えしたように、玄関は我が家の顔。玄関デザインといっても、このようにアイデアは多岐にわたりますから、ぜひ参考にしてください。依頼する住宅会社と相談の上、あなたにとっての理想の玄関をつくりあげて欲しいと思います。