都市部に家を建てる場合、なかなかゆとりある敷地を確保することは難しいもの。隣家が迫っているケースが多く、設計・プランニングをする際は、都市部ならではの問題にきちんと対処しなくて、快適で心地いい家にはなりません。そこで気を付けるべきポイント・注意点をお伝えしたいと思います。
目次
自然光をしっかりと採り込む設計を心がける
住宅密集地の場合、自然光を室内に取り込むことが難しくなります。敷地が狭いと間口も広く取れないため、どうしても光が入りにくくなります。
窓の大きさや位置をしっかりと計算し、トップライト(天窓)を活用するなど、自然光を採りこむ工夫をしましょう。
風通しが良くなる設計を心がける
隣家が迫っていることから、風通しがよくなる設計を心がけないと、湿気が溜まり、じめじめした住環境になりかねません。
室内の通風をよくするためには、外の空気を取り込む窓と、取り込んだ空気を逃がす窓が必要です。風向き等、しっかりと考慮しながら、窓の位置、数を決めましょう。
また、ウインドキャッチ窓を採用すると、効率よく外の空気を採りこむことができます。
生活音が漏れないように配慮する
普段の生活音が外に漏れることはあまりないかも知れませんが、音楽を聴いたり、楽器を演奏することが趣味の方ならば、防音対策は必須です。防音効果が高ければ生活音が漏れることを必要以上に気を遣うこともありませんし、逆に隣家からの音漏れに悩まされることもありません。
プライバシー確保をしっかりと行う
上記の採光や風通しなどと通じるところがありますが、隣家や外からの視線には、配慮が必要です。隣家が迫っていると、窓の位置が同じ場合、いつもカーテンを閉め切っているなんてことになりかねません。
高窓や地窓を活用したり、窓の位置をずらす、植栽で外からの視線をゆるやかに遮るなど、きめ細やかな設計が大切です。
スキップフロアの活用を検討する
スキップフロアとは、一つの階層に複数の高さのフロアを設ける設計のこと。中2階や中3階などをつくることができ、狭小住宅であっても効率的に空間の数を増やすことができます。
スキップフロアの利点はもうひとつ。次の階層に移る際、階段の段数が少なくて済むこと。そして傾斜もゆるやかにできることです。狭小・多層階住宅の場合、階段がどうしても急になりがちですが、スキップフロアを採用すれば、ラクで安全性も高められます。
都市部ならではの法規制に上手に対応する
家を建てる場所によっては、さまざまな法規制が存在します。中でも北側斜線制限は、住宅密集地では必ずあると言えるでしょう。
北側斜線制限とは、敷地の北側にある道路や隣地から発生する架空の斜めの線による制限のこと。建物を建てるときは、高さがこれらの斜線を超えないように設計しなければならないのです。
その制限を受けて単純に設計すると、北側を大きく切り取った屋根形状になります。これがダメということではありませんが、外観デザインにこだわる方にとっては、少し残念に感じるのではないでしょうか。また、室内も、その部分は決して使い勝手の良いものとは言えません。
北側斜線制限をはじめ、さまざまな法規制には対応しなければなりませんが、それを上手にクリアする方法をしっかりと検討することをおススメします。
庭が取れない場合は、屋上スペースの活用を検討する
敷地にゆとりがない場合、庭を持つことは難しくなります。そこで検討したいのが屋上です。屋上があれば、おうちキャンプに日光浴、プランターを用いた家庭菜園、洗濯物干しなど、さまざまな用途で使うことができます。
ガレージやピロティを上手に活用する
ガレージはクルマを駐車するスペースですが、棚などを設けるなど、収納空間としての活用も検討しましょう。また、クルマがないときは、子どもたちが遊ぶ空間として利用してはいかがでしょう。床にチョークでお絵描きなんて楽しいですね。近くに水道を引いておけば、水でさっと洗い流せます。
都市型、狭小、3階建て(多層階)住宅が得意なハウスメーカーへ
都市型住宅を設計・プランニングする際は、都市部ならではの環境を考慮した、きめ細やかな配慮、工夫が必要です。
都市型、狭小、3階建て(多層階)住宅が得意なハウスメーカーなら、これまで培ったノウハウやアイデア、施工実績が豊富なので、きっと満足度の高い住まいを実現することができるでしょう。