【トイレ】家づくりで後回しにしがちなトイレで失敗しない注意点4つ

家づくりを進める中で、後回しに考えがちな「トイレ」。でも、トイレは暮らしの中で絶対に欠かせないものであり、その位置や設えの違いで、「とても使いにくい」「他人には利用して欲しくない」といった機能性、デザイン性が著しく欠けるものになってしまいます。「トイレの位置をはじめとするプランニングは、設計士の腕が一番出やすい」と言われるほど、実はしっかりと考えておくべき部分なのです。
トイレは、後で「失敗した!」となっても簡単に場所を変えることはできません。そこで後悔しないトイレ設計の注意点を以下にまとめてみました。これさえ読めば、快適で機能的、そしておしゃれなトイレをつくることができます。ぜひ参考にしてください。


注意点1:トイレの位置をしっかりと考える

トイレの位置はとても重要です。なぜならば、トイレは“非常にプライバシー度の高い空間”だからです。
たとえば「トイレの扉を開けたら、家族がくつろぐLDKとつながっていて、丸見え目が合った」というシーンは、やはり避けたいもの。家族ですらそうなのですから、お招きしたゲストとなれば、やはり気まずいです。
さらに気を付けたいのが“音”。食事やくつろいでいる人たちに、音を聞かせるわけにはいきません。もしそんな位置にトイレを設けたならば、ずっと気を使いながらトイレを使用することになります。
では、どこに配置すればいいのでしょうか。敷地条件によっても異なりますが、前述の視線や音の問題を考えると、普段はあまり人がいない場所を選択することになります。たとえば玄関付近や洗面所付近、廊下の突き当たり、2階など。その位置が動線上、ある程度便利なのかも考えながら設計しましょう。
LDKなどは間取りを考える際に最初に考えがちですが、トイレを中心に間取りを考えてみるのも、快適な暮らしを実現する一つの方法だと思います。


注意点2:風呂・洗面所に隣接する場合、利用シーンを考える

洗面所と隣り合わせにトイレを配置する場合、洗面所を手洗いに使用できるメリットがあります。ただし、ここでの注意点は、風呂や洗面と隣接させた場合、それらを誰かが使用しているときに利用しにくくなることです。
解決策としては、2階にもトイレを設置しておくこと。生活のメインである1階からは動線的には少々不便にはなりますが、普段はあまり人がいない場所につくるという観点からも、2階のトイレの設置をおススメします。


注意点3:玄関付近の設置の場合、安全性や健康面にも配慮する

少し前の日本の住宅は廊下が多く、トイレは主に廊下の突き当たりに配置されていました。また、玄関先での来客対応も頻繁で、なかなか玄関付近にトイレを配置するというアイデアは生まれなかったようです。しかし、現代の住まいは廊下が少なくなり、インターホンの普及で来客対応も玄関先で行う機会が少なくなりました。そのことから玄関付近の配置が増え始めています。

この場合、注意すべき点は、まず安全面です。家の中で生活していると、他の家族の動きに対しての意識はある程度高いものですが、外出先から帰宅した時は、まさかそこに家族がいるとは思わないもの。出会い頭に開いた扉がぶつかるなどということがないように、トイレの位置や扉の開き度合いなどに十分な配慮をしましょう。
また、健康面ですが、全館空調ではない限り、洗面所付近や2階に設けても室温の問題はありますが、玄関付近は特に寒さがこたえます。年齢を重ねれば“ヒートショック”への配慮も必要になるでしょう。このあたりもきっちりとケアしておきましょう。


注意点:4:デザイン性への意識も高めよう

冒頭にも述べましたが、多くの人はトイレにあまり関心を寄せません。だから、「トイレなんて使えればいい」というくらいにしか考えておらず、ましてや“トイレをおしゃれにする”なんてことまではこだわらないようです。
しかし、ちょっとしたプラスαを施すだけで、トイレの印象はぐっと変化し、おしゃれになります。おしゃれになれば、暮らしは豊かになります。ゲストが来られた時も気兼ねなく使っていただくことができます。では、トイレをおしゃれに仕上げるコツを見ていきましょう。

事例1

トイレを設計する際には、そこを一つの“居室”として考える。そうすると、アイデアが広がっていくはず

事例2

壁紙を用い、空間に彩りを加える。消臭・防汚効果のあるものなら尚よし

事例3

いわゆる日本のトイレは、タンク付きで、その上に収納が設置されているパターンが多い。タンクレスにし、手洗いを別途設けることで、輸入住宅風・ホテルライクなおしゃれな印象に仕上げることができる

事例4

手洗いのボウルや水栓は、彩りのあるものを採用する

事例5

手洗い下や壁を利用した造作収納があれば、さらにすっきり機能的で、おしゃれな空間になる

事例6

床もタイルなどを採用するとおしゃれ。ただし、掃除しやすく、汚れにくい素材であることは必須

事例7

照明にもこだわる。ただし吊り下げ式の照明は、立った時に頭が当たらないように配慮する必要がある。あらかじめソケット位置を十分に計画すること


まとめ

こうして注意点を列挙してみると、「言われてみれば当たり前」のことばかりだと思います。しかし、後回しにしたり、あまり深く考えないで設計士に任せきりにしてしまったことで後悔するケースも少なくないのです。まとめとしては、

  • トイレのプランニングは、家づくりにおいても重要な要素の一つであること
  • 4つの注意点を頭に入れ、プランニングすること
  • 位置はもちろん、デザイン性にもこだわろう

ちょっとした小物を置くだけでおしゃれな空間になるため、小さな棚やニッチもあると素敵です。ぜひ、あなたの感性を生かした、便利で快適でおしゃれなトイレをプランニングしてください。