家づくりにおいて、少しでもゆとりのある、広々とした家を建てたいと思うのは人情。でも、なんでもかんでも広ければいいと言うものではありません。また逆も然りで、家族構成によっては、あまりにもコンパクトだと、生活に制限が生まれてしまいがちになります。
そこで、便利なのが「間取り係数」です。この算出方法を知っておけば、あなたの暮らしに必要な広さがどれくらいなのかや、計画している間取りのバランスが分かります。これはとても便利な計算式なので、ぜひ活用してください。
間取り係数とは
間取り係数とは、建築家の吉田桂二氏が考案したものです。 間取り係数が1.8前後だと、少しゆとりを感じる家になりますので、1.5~2.0の範囲で決めるといいでしょう。1.5を下回ると間取りとして成立しなくなり、2.0を超えると面積を減らすことをおススメします。1.8を目安に計算すると基本の部屋面積が算出できますので、それを軸に部屋の数や広さを調整するといいでしょう。
計算式
基本の部屋の面積(坪)× 間取り係数=延床面積(坪)
「基本の部屋」とは、リビング、ダイニング、寝室、子供部屋、和室などのことです。
これに対して、玄関、キッチン、洗面所、浴室、トイレ、収納などを「ゆとりのスペース」と分類します。
【間取り作成前】必要な広さ(延床面積)を算出する場合
計画が漠然としている段階で、自分たちに必要な広さの目安を確認することができます。
基本の部屋の面積(坪)× 間取り係数 = 延床面積(坪)
① 希望する「基本の部屋の面積」を算出
リビング:8畳 ダイニング:6畳 和室:6畳
寝室:8畳 子供部屋:5畳✕2 スタディコーナー:6畳
合計:44畳 → 坪数に変換する(44畳 ÷ 2)=22坪
② 間取り係数「1.8」と仮定して計算
基本の部屋の面積「22坪」× 間取り係数「1.8」= 延床面積「39.6坪」
希望通りの「基本の部屋の面積」とゆとりのある空間を確保するには 「39.6坪」が必要な広さとなります。
【間取り作成後】間取りのバランスを確認する場合
計画が進み、間取りの決定に近づいた段階で間取りのバランスを確認することができます。
延床面積(坪)÷ 基本の部屋の面積(坪) = 間取り係数
① 計画した間取り
基本の部屋の面積「22坪」 延床面積「38.5坪」
基本の部屋の面積「22坪」 延床面積「38.5坪」
② 間取り係数を算出
延床面積「38.5坪」÷ 基本の部屋の面積「22坪」= 間取り係数「1.75」
間取り係数は「1.75」ですので、概ねバランスのとれた間取りと言えるでしょう。
まとめ
まとめとしては、
- 気になる自分たち家族に必要な広さはなど、「間取り係数」で知ることができる
- 「間取り係数」は、必要な広さを知ることができ、
- 間取りのバランスを知ることができる
間取り係数を活用すれば、土地購入前なら必要な広さの目安が分かりますし、土地がある方なら、その中でのバランスの取れた間取り計画を立てやすくなります。やみくもな土地探しや無計画なプランニングを避けるためにも、ぜひ活用してください。