住宅の資金計画はこの3つを抑えろ「総予算、自己資金、住宅ローン」

資金計画

住宅を取得するには、当たり前のことですが「お金」がかかります。正直なところ、一番大事なお金のことを「全然知識がない」という方がほとんどです。この常識を知らずに家づくりを進めてしまうと、後で「そんなにお金がかかると思ってなかった!」とか、「こっちの住宅会社を選択しておけばよかった!」という後悔につながり、最悪の場合、家づくり計画を中止しなければならなくなることもあります。

そんな不安や疑問を解消し、失敗や後悔の芽を確実に摘み取るのが、「家の資金計画」ページ。これさえ読めば、家づくりにおける資金計画でミスをすることはなくなりますし、しっかりとしたシミュレーションも可能になります。

ここでは、家づくりに欠かせないお金の話しを、「知らなきゃ困る3つの常識(総費用・自己資金・ローン)」として記事にまとめました。お金のことに関しては、知れば知るほど奥が深く、専門家のファイナンシャルプランナーでも知識が追い付かないこともあるくらいですので、ここでは誰でも理解できる基本中の基本を用意しています。基本中の基本と言っても、これが分かると憧れの家づくりが一気に現実味を帯びてきます。

総費用=建物工事費+諸費用+外構など → 家が完成!

住宅専門雑誌や各メーカーのホームページ、チラシなどを見ると、建物の写真やパースの横に「本体価格:○○○○万円」と書かれていることに気づかれるでしょう。これを見て多くの人が、「なるほど。この家は○○○○万円で手にできるんだな」と思い込んでしまいます。でも、これは大きな落とし穴。

本体価格と総費用はまったく違う! のです。
本体価格だけでは家は建たないという事実を、まずは理解しましょう。

では、分かりやすく解説していきます。 家を建てる際に必要な総費用は、大きく分けて3つに分類されます。

総費用=費用A(建物本体+付帯)+費用B(諸費用)+費用C(外構など)

それぞれがどのような費用かを詳しくお伝えしましょう。

費用A=建物本体工事+建物付帯工事

費用Aは、住宅会社と請負契約(住宅会社が家を建てる工事をする契約)を締結する金額となるとお考えください。請負金額は、現金または住宅ローンを使って住宅会社に支払います。
ここで大事なポイントがあります。それは、後々のトラブルや資金ショートを回避するために、 “契約の際は、建物本体工事および建物付帯工事に何が含まれているか” “念入りに確認する” ということです。
家づくりにとって必ず必要な高額な工事を、建物本体工事や建物付帯工事に含めずに、目先の費用を安く見せるような住宅会社は信頼ができません。

建物本体工事

建物本体を建てるための工事費用です。
基礎、構造体、屋根、外装、内装、設備(キッチン、浴室、洗面、トイレ) 建物内部の電気、水道、ガス工事

建物付帯工事

建物本体とは別の工事費用で、敷地の広さや公道との関係(距離や高低差)などによって大きく増減します。そのため見積には専門的な知識が必要となり、契約の意思決定後に提示される。

項目 内容
屋外給排水工事 敷地に接する公道に埋め込まれている、水道管、下水道管へ接続させるために敷地内にそれぞれの管や升を敷設する工事です。敷地の広さや公道までの距離によって増減します。下水道が無い地域では浄化槽の設置工事もここに含まれます。
地盤改良工事 住宅会社と契約する前後(会社による)に地盤調査を行い標準基礎では耐震強度を担保出来ない場合に行います。
解体工事 建替えの場合のみ必要な費用です。解体する建物の構造や規模によって増減します。
電気、ガス、電話工事 電気、ガス、電話の引込工事は地域の電力会社、ガス会社、電話会社が無償で行うのが一般的です。

屋外給排水工事は特に注意!

 

住宅の工事現場で前面道路のアスファルトを剥がした大掛かりな工事を見かけたことはありませんか。あの工事には当然ながら、かなりの費用がかかっているのです。
例えば、現家(築30年)を解体して新築する場合、既存の水道メーターや水道管(鋼管)が古いことが殆どで、新しいメーターと水道管(塩ビ製)への交換が義務付けられています。そのため前面道路を掘削して新しい水道本管を引き込む工事が必要になり、行政によって費用はまちまちですが、「50万円」も費用がかかることもあります。

費用B=諸費用(各種申請費用など)

諸費用とは、住宅ローンを借りる際に必要となる保証料や、建物の権利関係を登記する費用などのことです。請負契約時に、今後、支払いが予想される費用を住宅会社預けて、引渡し後に実費精算します。一つひとつの費用は一部を除き高額というわけではありませんが、積み重なるとそれなりの金額になります。これは現金で先に用意しなければなりませんから、後にご紹介する自己資金の中にもしっかりと組み入れ、計画することが重要です。

項目 目安 内容
建築確認申請費用 20万 建物の設計図を管轄の建築指導課へ申請して工事の許可を受けるための申請料です。
敷地・地盤調査費用 10万 専門の業者に依頼して、敷地の形状と地盤の強度を測定します。その結果により、基礎工事の費用が追加になる場合があります。
収入印紙代 5万 工事請負契約書用。住宅ローン契約用(金銭消費貸借契約)。
ローン保証料 30万※ ローン借入の保証人を立てる代わりとして、保証協会を利用するための費用です。
団体信用生命保険料 10万 ローン借入のための毎年かかる生命保険です。(任意加入・分割支払)
火災保険料 10万 ローン借入のための火災保険です。(強制加入・一括支払)
つなぎ融資金利等 20万 住宅ローンの融資実行は建物が完成し引渡しを受けた後になります。そのため、融資実行までの間のつなぎ融資が必要になり、その金利負担の費用です。
登記費用 20万 完成した建物を法務局へ申請して謄本や権利書を作成します。
合計 約125万 ローン保証料を30万とした場合の合計です。

※ローン保証料は、借入金額と返済期間で大きく変動します。また一括ではなく、金利に上乗せするタイプもあります。

費用C=外構工事(庭や塀等の外回り)、購入する家具など

費用Cは、希望に応じて必要な工事や、新たに購入する家具、家電などの費用です。
住宅会社に依頼することも出来ますが、住宅会社の経費分が上乗せされますので、専門業者と直接契約したり、自分たちで家具屋などに行って購入するほうがお得でおススメです。

外構工事 門扉、隣地境界のフェンス、カーポート、植木、芝生、ウッドデッキなどの工事。
照明器具 一般的に廊下、トイレ、洗面などの埋込み型の照明器具は本体工事に計上されます。
それ以外の居室のシーリングやペンダント照明を購入する費用です。
エアコン 数十万単位の費用が必要になりますので、あらかじめ予算化しておくことをおすすめします。
カーテン 大きなサイズや特殊なサッシを取り付けた場合は、オーダーカーテンが必要になります。
家具 数十万単位の費用が必要になりますので、あらかじめ予算化しておくことをおすすめします。
家電 数十万単位の費用が必要になりますので、あらかじめ予算化しておくことをおすすめします。
引越し 数十万単位の費用が必要になりますので、あらかじめ予算化しておくことをおすすめします。

自己資金はいったいいくら必要か?

総費用が分かったら、それに対して必要な頭金(自己資金)と住宅ローンの割合を把握しましょう。この自己資金の割合や住宅ローンの借り入れ可能な金額は、家づくりを大きく左右します。「自分はどれくらい借りられるのだろう?」と心配する人も多いと思いますので、簡単なシミュレーション方法もお伝えします。では、まず自己資金から解説します。

自己資金として必要な金額(現金)は、一般的に「費用Aの20%+費用BとCの全額」が基本となります。
費用A(建物工事)の20%が、なぜ現金で必要なのかというと、住宅ローンの融資限度額が、建物工事の80%までという銀行が多いからです。

総費用2000万円の家=費用A:1700万円 費用B:150万円 費用C:150万円」の場合、
自己資金として必要な金額は、 340万円(1700万×20%)+150万+150万=640万円となります。

自己資金がいくらあるかで建てられる家も決まるということ

住宅ローンはいくら借りられるのか:シミュレーション方法を知る

前項の例の「総費用2000万円の家=費用A:1700万円 費用B:150万円 費用C:150万円」の場合、
640万円が自己資金ですから、残りの1360万円を住宅ローンで借りることとなります。

ここで気になるのが、「自分たちの収入で借りられるの?」ということです。そこで、住宅ローンを利用して必要金額(1360万円)が借り入れ可能か、2つの方法でシミュレーションしてみましょう。

住宅ローンの代表的な商品である、住宅金融支援機構による「フラット35」のホームページに、簡単に「年収から借入可能金額を計算」「毎月の返済額から借入可能金額を計算」することができるシミュレーションが用意されていますので活用してください。

1. 年収から借入可能金額を計算

2.毎月の返済額から借入可能金額を計算

まとめ

これで家づくりにおける総費用頭金(自己資金)住宅ローンの基本が分かったと思います。この3つを相互に確認しながら、希望の間取りや設備等が実現可能なのかなど、住宅会社探しを始める前にご自身で検討してみてください。

もし、ローンの計算などがややこしくてお手上げの場合は、いずれは住宅会社の担当者がしっかりとサポートしてくれます。でも、家を建てるのに必要な総費用にはどんな内容があるのかだけは、必ず把握しておきましょう。

費用A(建物本体工事+建物付帯工事)の20%があれば大丈夫と思われがちですが、実際には、費用Bと費用Cがかかります。この存在を考慮しないと、「カーテンも照明もエアコンもなく、暗くて寒くて、中からも外からも見晴らしのいい家に入居する」ことになります。しっかりと計画を立て、進めていくことが大切です。