【一条工務店】災害に強い家づくりとは?地震や水害に備える「総合免災住宅」

日本は豊かな自然に恵まれた国です。しかし近年では、その自然が甚大な被害をもたらすこともしばしば。自然災害が激甚化、頻発化する中、これからの家づくりでは、あらゆる災害にしっかりと備える“防災意識”が不可欠。そこで今回は、一条工務店の「総合免災住宅」への取り組みについてお伝えしたいと思います。


耐震最高等級の家でも、安心できない災害が来るかも知れない

地震や台風、豪雨などの異常気象…。災害の多い日本で、私たちは長年自然と共生してきましたが、近年は想像を超える被害をもたらす災害が増えています。

たとえば地震では東日本大震災や熊本地震など、かつてない規模のものが起こっています。内閣府の想定によると、もし南海トラフ巨大地震が発生したら、震度7の揺れは東海地方から四国、九州まで10県153都市にも及び、死者数は、最悪の場合、32万3000人にもなるとされています(※)。

耐震基準の改正をはじめ、安心・安全な住まいづくりは昔に比べ進化していますが、残念ながら自然災害の猛威は、常に想定外のことが起こりうるところに本当の怖さがあると言えるのではないでしょうか。

※:内閣府「南海トラフの巨大地震モデル検討会」、「南海トラフ巨大地震対策ワーキンググループ」による想定


災害大国日本だからこそ、一条工務店の「総合免災住宅」

一条工務店が提案する「総合免災住宅」は、地震や水害などの自然災害に備え、多岐にわたる対策が施された住まいです。詳しくは、ぜひ「カタログ」を請求し、その卓越した家づくりの技術とこだわりへの理解を深めて欲しいと思います。

「震災」から暮らしを守るための「2倍耐震」

地震対策において、まず思い浮かぶのが「耐震性」です。日本では大地震をきっかけに建築基準法が改正されてきました。また、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」における「住宅表示制度」により、建物の地震への強さ、耐震性能を示す指標である「耐震等級」が制定されています。

耐震等級には1~3まであり、「耐震等級1」は震度6強~7程度の地震が起きても、即時倒壊しない程度の強さを持つ建物を言います。「耐震等級2」は、耐震等級1の1.25倍(※1)、「耐震等級3」は同1.5倍(※2)もの強さを誇り、現在、耐震等級3が最高等級となっています。

一条工務店では、「耐震等級3」を標準仕様としていますが、今回、それよりもはるかに強い、建築基準法の2倍の強さを持つ「2倍耐震」を開発しました。

構造躯体はもちろん、室内の仕上げ材に至るまで、損傷をいかに小さくするかを追求した「2倍耐震」の住まいは、「倒れない」以上の守る強さを実現しています。

※1:震度6強~7程度の地震が起きても補修により、引き続き居住できる程度
※2:震度6強~7程度の地震が起きても軽微な補修により、引き続き居住できる程度

2倍耐震を生み出す「ミッドプライウォール()」と「緻密な壁配置」

一般的な住まいは「木造軸組構法」

一条工務店の「2倍耐震」の仕組みを説明する前に、一般的な住まいの構法についておさらいしましょう。

日本の住まいにおける一般的な構法は、「木造軸組構法」と呼ばれるものです。柱と梁を縦と横に組み合わせることで、住宅の躯体をつくりあげます。設計の自由度が高く、別名「在来構法」と呼ばれる、日本の職人さんが慣れ親しんだ構法です。

耐震性に優れた「木造枠組壁構法」

従来の構法からさらに耐震性を高めたのが、「木造枠組壁構法」です。木組みに構造用合板を貼り、「面」で住宅を支えます。これにより横方向からの力にも強い、耐震性に優れた住まいを生み出すことができるのです。 では、木造枠組壁構法であれば、耐震等級1の2倍を簡単に実現することができるのでしょうか。答えは否です。

たとえば、一般的な木造枠組壁構法の場合、地震が起こった際に変形しやすいという課題があります。「2倍耐震」を実現するためには、さらなる技術的工夫が必要となるのです。

「ミッドプライウォール()」

ミッドプライウォール
「ミッドプライウォール」

一条工務店では、「2倍耐震」を実現するために「ミッドプライウォール)」を採用しました。施工方法を新たに発案することで一般的な木造枠組壁構法と比べ、同じ釘でも1.6~1.7倍強度がアップ。前述の問題をクリアしたのです。

「ミッドプライウォール」の強度は一般的な内壁の3倍以上。地震の力による“ねじれ”や“ゆがみ”が小さく、躯体だけでなく、室内へのダメージを抑える、真に地震に強い住まいが実現するのです。海外では4階建て以上の中層木造建築物に数多く採用されている先端技術です。

:FPInnovationsのDr. Erol Varogluとブリティッシュコロンビア大学のDr. Siegfried Stiemerが “Midply Wall System”の開発者であり、知的所有権を保持

緻密な壁配置

緻密な壁配置

単に壁を強くするだけでは、「2倍耐震」を生み出すことはできません。「2倍耐震」を実現するには、壁をバランスよく配置することが求められるのです。その基盤となるのが、ビル建築などで用いられる「許容応力度計算」。数々の実大実験で得られたデータや情報をもとに、強度のある内壁と外壁をバランスよく配置します。

一条工務店は、強力な「ミッドプライウォール」を一邸ごとの緻密な構造計算のもとに配置。この高度な技術により、「2倍耐震」を開発することに成功しました。


「震災」対策には「地盤」と「基礎」も重要

家がいくら強くても、地盤が弱いと被害を受けることもあります。そこで一条工務店では、地盤も責任を持って自社で調査。着工前に施主の土地を無償で調査します。さらに、施主自身も結果を正確に理解できるように調査内容を分かりやすくまとめた報告書を提出しています。

また、強固な「基礎」も同社の特長のひとつ。厳しい自社基準による「高耐久・高耐震基礎」を地盤調査に基づいて選定し、建物の安全性を確保します。


「震災」時、室内にいる家族を守るためのさまざまな「工夫」

大きな揺れが発生した場合、たとえ家に損傷がなくとも、家具の転倒・落下や引き出しの飛び出し、窓ガラスの損傷などで、家族の安全が脅かされるケースもあります。

そこで一条工務店では、転倒を防ぐ多様な「備えつけクローゼット」を用意。転倒がないため、避難経路を妨げることも防ぎます。

キッチンや洗面化粧台などの収納扉には「耐震ロック」を設けることで収納物の飛び出しを防止。建具の引き戸には「ソフトクロージング機能」を搭載し、横揺れの衝撃を吸収、脱落を防ぎます。

窓ガラスには「防犯合わせガラス」を採用。簡単に破れることがなく、たとえ破損してもガラスの室内への飛散を最小限に抑えます。


「水害」から家も身も守る、世界初()「耐水害住宅」

大雨による川の氾濫は、いまや毎年のように繰り返されています。そして、実は水害は、近年のゲリラ豪雨などにより、河川から離れた土地でも起こります。土地購入の際、「ハザードマップ」で安全性を確かめることは必須条件のひとつですが、とはいえ安全性の高い場所ばかり選べるかと言えば、現実的な話ではありません。

そこで一条工務店が開発したのが、世界初()の「耐水害住宅」です。一般的な仕様の住宅は、水害時に床下換気口や玄関ドア、窓の隙間などから次々と浸水し、またたく間に床下・床上浸水となってしまいます。しかし、「耐水害住宅」では、あらゆる場所からの浸水を防ぎ、床下・室内とも被害を受けません。「耐水害住宅」は4つの危険にしっかりとした対策が講じられています。(※)

:自社調べ 2020年8月現在
※:安全に避難できる場合は、各自治体の指示にしたがって避難してください。

1浸水対策/水が入る隙間をなくす

床下への浸水を自動で防ぐ「フロート弁付き床下換気口」や、透湿性を保ちながら水の浸入を防ぐ「壁面防水処理」、水密性の高い「玄関ドア」、高水圧にも耐える「樹脂サッシ」で、水を浸入させません。

2逆流対策/自動で排水管を閉じる

増水しても逆流しない「逆流防止弁」を設置。通常時は弁が開いた状態で排水し、水害によって水かさが増し、汚水が逆流した際は弁が閉じて屋内に溢れるのを防ぎます。

3水没対策/ライフラインを確保する

「エコキュート」は本体の一部が水没しても稼働できるように、水に弱い電気動力部品、基板や電源を上部に配置。「エアコン室外機」や「外部コンセント」、「外部電気設備」は水没しにくい高さに設置することで保全します。

4浮力対策/流されないための2種類の画期的な対策

「耐水害住宅」は浮力対策により2タイプが存在します。

スタンダードタイプ

水を重りにして建物を浮力から守る「スタンダードタイプ」は、家が浮く前に床下に水を引き込む「床下注水ダクト」を採用(※)。※注水量が床下の容量を超えると床上浸水する場合があります

浮上タイプ

家自体を浮かせて守る「浮上タイプ」は、「係留装置」で浮上時の建物流失を防止。家が完全に水害に見舞われても、あえて家を浮かせることで被害を抑えます。さらに「二重基礎構造」で安定した着地を可能にしています。


大型台風に備えた「強化ガラス」

大型台風は年々増え、竜巻などによる突風被害も増えています。そこで大切になるのが「風災」への備えです。一条工務店では、窓に風速90m/秒の暴風に耐える「強化ガラス」を採用。その強度は、一般的なガラスの7倍以上になります。

また、強化ガラスは、万が一破損した場合でも破片が細粒状になるため、負傷リスクも少ないのが特徴です。室内側に飛散を防ぐ「防犯合わせガラス」を合わせたダブルバリアが、安心・安全を届けてくれます。さらにサッシの水密性は、業界トップクラスです。


「風災」で注意しておきたい太陽光パネルも「屋根一体型」で安心

暴風被害は、屋根や壁への配慮も欠かせません。一条工務店では、圧倒的な耐風性を有する「屋根一体型太陽光パネル」を採用するほか、屋根瓦の場合は、飛散を防止する全数釘打ち施工を実施。外壁においては、「全面タイル貼り」でサイディングを保護するため、たとえ飛来物の衝突で外側のタイルが破損しても、部分補修で済む配慮がなされています。


「総合免災住宅」は、理論だけでなく、実験を繰り返し建てられる

一条工務店の家づくりのポリシー。それは理論だけでなく、リアルな実験結果を重視したうえで商品開発を行うことです。東京大学をはじめとする大学や研究機関とも連携し、数多くの「実大実験」によって住まいの耐震性・耐久性等を実証。それらを商品開発にフィードバックしていきます。

たとえば耐震実験では、単に躯体強度を調べるだけでなく、室内に家具や家電、収納された小物類など、実際の暮らしで使われるあらゆるものを配置し、実証実験を行います。そこから得られるものは、安心の暮らしの設計へと生かされていくのです。一条工務店の家は、「そこまでやるか」というところまで検証を繰り返し、つくられています。


まとめ

一条工務店の家づくりのこだわりがお分かりいただけたことでしょう。今回は自然災害に焦点を当てましたが、それ以外にも火災やシロアリなどの生物劣化、停電や断水などにも備え、耐えることが求められます。一条工務店の住まいは、それらへの対策もしっかりと施されています。カタログでは、さらに詳しく一条工務店の「総合免災住宅」について記されているので、参考にしてみてください。備えあれば憂いなし。ぜひ、安心の家づくりを!