【ビルトインガレージ】メリット・デメリット、間取り等9つの注意点

ビルトインガレージ

※画像提供:Tagle住まい

新しく家づくりをプランニングする際に、ガレージを計画する方は多いと思いますが、その中でも家と一体化した「ビルトインガレージ」を検討する方も少なくないでしょう。特に男性は、愛車を雨風にさらすことなく保管できることに魅力を感じる方が多いものですし、広さによっては駐車スペース以外の用途に使用したり、マニアックな方なら愛車を眺めることのできる空間に仕上げることも考えておられるかも知れません。

そこで今回はビルトインガレージに注目し、そのメリットとデメリット、参考になる間取りアイデア、注意点などを記したいと思います。「愛車も家族の一員」というご主人の声に耳を傾けながら、ぜひ奥様も「自分ならではのビルトインガレージの利用価値」を見つけて欲しいと思います。意外にも、ビルトインガレージは活用法が豊富です。

空間利用価値が高いビルトインガレージ。憧れのサロネーゼにもなれる

ビルトインガレージを検討する方には、大きく2つのパターンがあるようです。一つは冒頭にも触れましたが、ご主人の趣味が「クルマ」であること。さらに書斎やホビールーム、作業スペースとしてガレージを建物と一体化させ、プランニングしたいというものです。

そしてもう一つは、特に都市部の狭小地において自動車を所有している世帯が、敷地を有効活用するために、いわば“苦肉の策”として建物と一体化させるパターン。1階やスロープ状にした半地下空間をガレージ部分にあて、その上を居室にするという形がよく見られます。

しかしビルトインガレージには、もう一つの可能性が秘められています。それは、今すぐにではないものの、将来的にサロン(教室)として活用するというもの。ご存知のように最近、サロネーゼが注目、そして人気を集めています。あえてご説明しますと、サロネーゼとは「自宅で趣味を生かした知識や技術を教える教室を主宰する女性たちのこと」。つまり、ガレージに少し手を加えることで、フラワーアレンジメントや陶芸教室など、趣味を実益に変えるサロンを開くことが容易になるのです。

そう考えてみると、女性である奥様も、頭から「ビルトインガレージなんて…」と否定するのはもったいないと思いませんか? さらに、このような外に開けたスペースは、上手に活用(バザーや憩いの場など)すれば、地域交流を生む場(ご近所とのいいお付き合い)としても活躍してくれます。 もちろんそれぞれのライフスタイルや趣味、考え方があるでしょう。でもガレージを検討する際は、将来の可能性にも着目することをおススメします。

ガレージが収益を生む? そのカラクリとは!

また、ガレージそのもの(平置き・ビルトイン共)を「うちはクルマに乗る予定がないから」と、「作らない」という選択をする方もおられるでしょう。ただ、今は乗らなくても将来、何かライフスタイルや事情が変わって乗る可能性が生まれるかも知れません。その時に、他に借りて駐車場代を払うのはもったいないと思いませんか? 

「でも、将来どうなるか分からないスペースを開けるのは…」と言う方に、お得なアドバイスを一つ。ガレージは、思わぬ副産物を生み出してもくれるのです。その副産物とは、「ローン返済の応援」。これは今回の記事とは少し趣旨が異なりますので、別途記事をご用意しました。

興味のある方は「不要と思っていたガレージを、ローン返済に役立てるという裏ワザ」をご参照ください。

話しを元に戻しましょう。ビルトンガレージの目的はどのようなものであっても、家と一体化させてガレージを作るわけですから注意することがたくさんあります。また、工夫するポイント・間取りなども重要となってきますので、以下に解説したいと思います。

クルマをはじめとした趣味・夢を愉しむためのガレージ

ご主人やご家族の趣味がクルマやバイクだったり、その他にもカヌーやサーフィンなどのアウトドア系のスポーツが大好きな方が、家の中でも趣味を愉しめる空間が欲しいと計画されるパターン。たとえば以下のような空間がありますが、いずれもそれなりのスペースが必要ですし、コストもかかるので、ご家族の賛同が必要となります。

本格的ガレージとして

駐車スペースだけでなくメンテナンスやカスタムを楽しむ作業スペースとして活用。その際、床にはオイルなどが染み込んで汚れないような加工を施したり、排気ガスを逃す換気扇などの排煙設備が必要となります。本格的な方ならクルマを持ち上げるリフトを設置する方も。そうなれば高さも必要になりますから、さらに居室空間が圧迫されます。

愛車をいつも愛でていたい

ビルトインガレージと言うことは、居室と接しているということ。その壁をガラス張りにし、いつでも愛車が眺められる空間にするパターンです。多くの場合、リビングの横にガレージを配する間取りを採用。こうする方は余程のマニアですが、クルマやバイクをオブジェとするのは、まさに大人の感性と言えるでしょう。

書斎やホビールームも兼ねて

ガレージとつながるように書斎やホビールームとして使用できる空間をレイアウトするパターン。まさに男の(もちろん女性でも)隠れ家的空間です。前述のクルマを眺められる工夫も施し、バーカウンターを設ける趣味人も中にはおられます。こまで来ると当然ながら、さらにコストはかさみます。

夢が膨らむ、将来のサロネーゼ

フラワーアレンジメントや陶芸教室など、趣味を生かしたサロンをつくるパターン。もちろんその時は駐車スペースとしての機能は失われますが、将来の夢実現のためのプランニングも大切です。後にも触れますが、電源や水道の引き込み、換気扇や窓の設置などもしっかりと考慮し、対応しておきましょう。

敷地を有効活用するためのガレージ

敷地の関係上、平置きでは駐車スペースが取れない場合、さらには周辺駐車場代が高く、ビルトインガレージを施工するほうが安く済む場合に採用するパターン。ここで気をつけたいのは、「ガレージはクルマを停める場所」としか考えずにプランニングしてしまうこと。「電源や照明などを付け忘れてとても不便」ということにならないように気をつけてください。

ビルトインガレージのメリット

敷地を有効活用できる

ビルトインガレージの上に居室を設けることができますから、平置きの場合に比べ、敷地を有効活用することが可能となります。

いたずらを防ぎ、風雨からも守れる

平置きの場合、塀などで囲まない限り、他人が容易に近づくことができます。パンクや傷をつけるなどのいたずらはもちろん、盗難や放火などのからもビルトインガレージなら防ぐことが可能です。また風雨から守られるために洗車頻度も少なくなりますし、強い陽射しによる“焼け”からも守られ、愛車を美しく、長く乗り続けることができるでしょう。

荷物の出し入れに便利・雨に濡れずに乗降

動線設計にもよりますが、ガレージから直接、屋内に出入りできる設計にしておくと、雨に触れずに乗降ができますし、買い物帰りやお出かけの時の荷物の出し入れにも便利です。

ビルトインガレージのデメリット

コストがかかる

単なる駐車スペースであっても、床の補強も必要ですし、照明など最低限の設備も必要となります。さらに趣味の部屋としても活用するとなれば、それらこだわりに伴った費用がかかります。

居住空間を圧迫する

駐車スペースを屋内に設置するわけですから、当然ながら居住空間はその分だけ削られます。特に玄関まわりの間取り配置に制約が生まれ、敷地に余程のゆとりがないと、リビングなどを2階に配置しなければならなくなるでしょう。

開口部が生まれ、建物強度の問題が出る

ビルトインガレージは、クルマを入れなければなりませんから、当然、開口部が生まれます。そうなるとそこの強度が低くなり、家全体でみると構造強度バランスの悪い家になってしまいがちです。木造建築の場合、開口部の広さによっては実現できない場合もあります。

クルマの音・振動が気になる

居室と隣り合わせですから、どうしても音が気になりますし、場合によっては振動も感じてしまいます。また、暖機をすることで排気ガスも溜まりやすくなり、ニオイの流入も考えられます。ニオイはもちろん、安全のために換気扇や排気の窓は必ず計画することをおススメします。

シャッターの開け閉めが暗さ、騒音に

クルマを停めているときはシャッターを閉めています。するとどうしても居室が暗くなりがちです。また、シャッターの開閉は、設備にもよりますが騒音にもつながります。早朝・深夜の開け閉めに気を遣うこともあるでしょう。

ガレージの冷気が室内に

ガレージ内は寒くなりますので、直接屋内に入る扉を向けた場合、どうしても冷気が入り込みやすいという難点もあります。

ビルトインガレージをつくる時の注意点&工夫・アイデア

まず理解しておきたいのは、ビルトインガレージにも法規制が適用されたり、構造上の制約があるということ。それらは地域によっても違いますし、建物の構造によっても異なりますので、詳しくは依頼する住宅会社からしっかりとした提案・説明を受けてください。法規制については基本的な考え方を示します。その他、注意点はしっかりと頭に入れ、ビルトインガレージを計画してください。

注意点その1:法規制、容積緩和

車庫の床面積が、容積率に算入されないための上限は、延べ床面積の1/5

<計算例>
建築物全体の延べ面積=130m2
車庫の床面積=15m2(1台分)

容積率緩和の上限面積=130×1/5=26m2
15m2(車庫の床面積)<26m2(上限値)→ 車庫はすべて容積率算定床面積から除かれる。

注意点その2:広さ

まずは、ご自身が所有しているクルマの外形寸法を把握しましょう。その上でドアの開け閉め、乗り降りをどのように行うかも想定する必要があります。また、トランクからの荷物の出し入れやボンネットを開ける場合もしっかりと考え、横幅、奥行き、高さを計画してください。

注意点その3:動線

ガレージもリビングなどの各居室と同じく家の一部ですので、どのように使うのかで、その配置(間取り)、他の部屋との動線も重要です。特にガレージから家の中へ出入りするのが玄関なのか、専用のドアを設けるのかによっても異なります。これは広さとも関係しますが、トランクから荷物を取り出しても、運び入れる動線が狭いと苦労するばかりか、ずっと荷物はトランク内が置場ということにもなりかねません。

おススメは、ガレージから直接、屋内に出入りできる扉を設けること。また、ガレージでも使える収納があると、玄関土間収納と同じような使い方ができてとても便利です。

注意点その4:床の材質

車が載るわけですから、それに見合ったコンクリートの強度が必要です。ガレージで使用する素材は、歩行用のコンクリートより割高になります。また、クルマのメンテナンスをされる方でオイル染みなどが気になる方なら、特殊コーティングされた床材の採用も検討しなければなりません。

注意点その5:水対策

ガレージ内で水を使うのであれば蛇口の設置はもちろんのこと、水勾配や排水設備が必要です。また、前面道路との高低差を考慮しないと大雨の際に雨水の浸水を招くこともあります。

注意点その6:出入り口

ビルトインガレージではシャッターを付けない選択肢もありますが、防犯面や一つの空間として活用したい場合は、シャッターで出入り口を塞ぐことになります。その場合、店舗の入り口にあるようなシャッターが一般的。昇降の方法は手動式、電動式、リモコン操作可能な電動式などがあり、材質や小窓の有無などで価格は大きく変わります。また、オーバースライダー式のシャッターの場合、設置に制約が生まれますので、採用前にはしっかりと確認しておきましょう。

注意点その7:窓・換気扇

長時間、ガレージ内で作業を行うときや、一定時間エンジンをかける場合は、採光や排煙のための窓の設置が必要です。換気扇を設置するのもいいでしょう。特にメンテナンスなどを行う方は、換気扇は必須です。

注意点その8:そこで何がしたいのかを洗い出す

ビルトインガレージをどのように活用したいのか、どんな生活スタイルになるのかを、計画段階でしっかりと洗い出しましょう。たとえば「愛車を眺めながらお酒を飲みたい」のならばミニキッチンや冷蔵庫が必要になるかも知れません。買い物にはクルマを使用する方なら、荷物をキッチンなどにすぐに運べる動線計画(間取り)が重要となるはずです。また、趣味のサーフィンやキャンプから返ってきたとき、ボードや汚れた食器、アウトドア用品をどのように洗い、片づけるのか…。それらをきちんと書き出して、計画してください。

注意点その9:あると便利な設備・忘れがちもの

水道と流し場 洗車やペットの足洗い、家庭菜園など
コンセント 必須です。適材適所に設けましょう。
人感センサー付きの照明 これも必須。さらに別途、適材適所に照明を設けておくことをおススメします。特に作業をする方は、コンセント配置・照明計画は重要です。
完成後に釘やネジを打つことを想定した下地材 収納スペースを設けたいけれど、ガレージ空間には限界があるものです。そこで利用したいのが壁。ループフックを手軽にかけられる専用の壁材もありますから、住宅会社に相談しながら機能性の高い部材を選びましょう。
エアコン ガレージで作業をする方の場合、エアコンを付けておくのも一つのアイデアです。確かに効きはよくないかも知れませんが、あるのとないのとでは快適度が断然違います。

まとめ

  • ビルトインガレージは、土地を有効活用し、趣味を愉しんだり、夢も実現できる空間である
  • 実は、思わぬ副産物もある
  • メリットは防犯面、空間活用など。デメリットはコストがかさむこと
  • 9つの注意点&工夫・アイデアで、理想のビルトインガレージがつくれる

このように、ビルトインガレージは“単なる駐車スペース”ではないことがお分かりいただけたことでしょう。ガレージと聞けば男性のもの、というイメージを抱く方は少なくありませんが、実は女性だって活用できるのです。ぜひ参考にして、夢あるガレージ空間を手にしてください。