一軒家にとって、防犯対策は重要な検討事項です。空き巣の手口も年々巧妙化・高度化しており、家づくりにおいて最新の防犯アイデア・アイテムを駆使することは必須と言えます。今回は、効果的な防犯対策について学んでいきたいと思います。
侵入経路を理解し、対策を講じる
空き巣、泥棒ですから、基本的に家の中に入ってきます。そこでまず理解したいのが、「侵入者がどこから入ってくるのか」ということです。
1位が「窓」、2位が「玄関」。そして「勝手口」などのその他出入り口と続きます。考えてみれば当たり前のことですね。そこでまず行いたいのが、これら侵入経路の防犯対策です。
- 防犯性能の高いサッシ・ガラス、2重ロックができる窓を採用する →クレセント(施錠器具)の強化、割れにくいガラスなどで外部侵入を防ぐ
- 窓には面格子をする
- 手が届きにくい高窓を採用する
- スリット窓など、侵入者の身体が入りきらない大きさの窓を採用する
- 玄関扉や勝手口の扉には、防犯性能の高い扉と錠を採用する →電子錠など最新のものがおススメ
上記の防犯性能の高いサッシやガラス、扉などは、次々と優れた製品が発表されています。各メーカーのホームページや建築会社の担当者に相談・確認し、予算が許す限り、高い防犯性能を有したものを採用するようにしましょう。
建物の周辺への防犯にも気を配る
侵入口への防犯対策をしっかりと講じた次は、建物周辺の防犯を考えましょう。侵入者が「敷地内に入らないようにする」、「たとえ入ったとしても家の中への侵入は諦める」ような対策が大切です。
- 塀には忍び返しなどを設け、侵入しにくくする
- 塀や生垣、ベランダは、比較的見通しのいいものにする →プライバシーの確保を重視するあまり、外からの見通しが悪い塀や生垣、ベランダは、侵入者の絶好の隠れ場所になる
- 家の周りやアプローチ、庭に砂利を撒く →不審な音を察知できる他、侵入者も自らが出す音を嫌がる
- 物置やカーポートの屋根などの位置に注意する →2階への足場にならないように配慮
- 防犯カメラおよび防犯ライトの設置 →センサーに反応して光る防犯ライトや防犯カメラは、大きな抑止効果を生む。また、カメラは証拠映像が残せる
建物周辺もしっかりと防犯することで、侵入に余計に時間がかかります。侵入者は、「時間がかかる」ことを嫌います。また「見られる」ことも避けるため、見通しの良さや防犯カメラはとても有効な手段なのです。
インターホン、ガレージ、照明を工夫し、留守を悟られないようにする
空き巣は、在宅しているか否かを判断するため、「インターホンで確認する」ことをよくします。また、「クルマがあるかないか」も判断材料の一つになると言われています。
- スマホ連動インターホンを導入する →インターネット環境下であれば、外出先でも室内にいるかのように対応が可能
- シャッター付きガレージを採用 →クルマがあるかないか分からないため、侵入抑止効果になる
- 長く留守にする場合は、新聞がたまらないように配達を止めておく
- 室内の照明やテレビをつける →帰宅が遅くなる場合、あえて室内の照明をつけて出かける。また市販のタイマーを利用し、夜間には照明やテレビをつけて、中に人がいるように見せかける
ホームセキュリティを導入する
ホームセキュリティ会社と契約し、さまざまな防犯サービスを利用する。セキュリティの専門家である彼らが提供するサービスは、便利かつ効果的です。プランも数多く用意されているので、比較・検討してみましょう。
まとめ
実は、泥棒に遭ったケースで一番多いのが、「無締り(無施錠)」。侵入窃盗の侵入手段の約半分を占めるのです。「2階だから安心だろう」と窓に鍵をかけていなかったり、「ほんの短時間、近くのコンビニに買い物に行った」「ご近所さんと立ち話をしていた」際に、空き巣に遭うケースも少なくないのです。
「うちはいつも戸締りをしている」という自信が過信になっていないか、一戸建てを建てた際は今一度、自分に問いかけましょう。また、防犯は「コミュニティで安心・安全を守る」が基本です。ご近所さんと協力しながら、防犯対策をしてください。
防犯対策は重要ですが、それなりに費用が発生することも事実。住宅ローンや生活費以外に、どれだけ安全にお金がかけられるかをしっかりと見極め、検討してください。