【照明】照明の種類を選ぶキメ手!部屋や目的に応じてチョイスしよう

家の照明器具

生活をするうえで欠かせないのが照明。家づくりに一生懸命になってしまい、意外と照明に気が回っていなかったという方も少なくありません。しかし照明はとても重要な要素。照明一つで空間の雰囲気は変わりますし、快適性や作業効率にも大きな影響を与えます。

「どの部屋もシーリングライト一つでいいでしょ」とか、「すべての空間を間接照明でおしゃれな雰囲気に仕立てたい」「とにかく明るく!」と安易に考えていると、後々「暮らしにくい」「目や身体が疲れる」、さらには「電気代が高い!」といった不満や後悔につながってしまいます。たかが照明といえども、買いなおすとなればそれなりにお金が飛んでいきます。だからこそ安易に考えず、照明選びの基本を押さえておく必要があるのです。

以下に照明の種類や特徴、部屋にあった選び方を示します。これを頭に入れておくと照明選びがスムーズに、そして照明選びで失敗することもないでしょう。家族団らん、それぞれの時間を快適に楽しむためにも、ぜひご一読ください。


照明の種類と特徴を知ろう! 電気代などコストにも注目!

一般的に使用する照明は3つに分類されます。「白熱灯」「蛍光灯」「LED(※)」です。

白熱灯は独特の輝きがあるため人気はありますが、消費電力量が多いため、日常的に使用する照明としては減少傾向にあります。

現在、普及が進んでいるのがLED。LEDの消費電力量は、同じ明るさの白熱灯と比べて約8分の1で、電球型蛍光灯と比較しても約3分の2とお得。さらに蛍光灯の寿命が6000時間~15000時間であるのに対し、LEDは20000時間~40000時間、1日10時間使用しても、10年は交換不要と言われています。ランニングコストを考えれば、LEDを選択するべきだと考えられます。

しかし、もちろん「蛍光灯」にも光の色などの利点・特徴があるのも事実。そこで「蛍光灯」と「LED」の特徴を示したいと思います。 ※LED:Light Wmiting Diode(発光ダイオード)の略称

蛍光灯

光の色

  • 昼光色…太陽に近い光のため、心地よい雰囲気を醸し出す
  • 昼白色…同じく太陽光に近い光。白っぽく活気のある空間を演出
  • 電球色…夕日に近い光。暖かな雰囲気で心穏やかにしてくれる

特徴

  • 広い範囲を均一に明るくしてくれる
  • 光の色がさまざまある
  • 電球寿命が長い
  • 消費電力が少ない
  • 点灯・消灯を頻繁に繰り返す場所には不向き
  • 点灯までに若干時間がかかるものもある

LED

光の色

昼白色と電球色がある

特徴

  • 点灯したらすぐに明るくなる
  • 熱線や紫外線をほとんど出さないため、室内温度への影響が少ない
  • 虫を呼び寄せない
  • 電球寿命が蛍光灯より長い
  • 発光色を変更できる(1つの電球で昼白色から電球色に変えられる製品もある)
  • 長時間点灯する場所や電球の取り換えに手間がかかる場所などに向いている
  • 光があまり拡散しないので、特に広い空間の場合、暗く感じることがある
  • 価格が高い

適正なワット数を知ろう! 消費電量もチェック!

蛍光灯とLEDの違いや特徴が分かりましたね。

では、実際に部屋に取り付けるとき、空間の広さに対する適正な照明のW数(ワット)を知っておきましょう。部屋の広さに対してのW数の目安は以下の表を参照してください。蛍光灯では1帖あたり約10~15W、白熱灯で約30~40Wです。LEDは㏐(ルーメン)という単位で表示されますので、約500~540㏐となりますが、LED製品には白熱灯相当のW数が表示されていますので、それを参考にするのもいいでしょう。

ちなみにワット数は、正しくは光源の消費電力を表わすもの。実際の明るさの判断基準は照度(㏓:ルクス)となります。

広さ 白熱灯(W 蛍光灯(W LED(㏐)
4.5~6帖 100180 4065 22003200
68 180240 6580 32004300
810 240400 80100 43004900
1012 400 100120 49005500

※上記はあくまでも目安です


心地よさや作業効率を考えて、適切な照明計画を立てよう!

リビングの照明計画

照明計画を立てるとき、まずその空間でどんな暮らしを送るのかを考えることが大切です。食事をするのか、読書にふけるのか。家族団らんのスペースなのか、一人で心静かにくつろぐのか…。もちろん部屋(空間)の用途は多岐にわたるケースがほとんどですから、「照明を一つに絞る」ということは難しいかも知れません。そこでお勧めしたいのが「多灯照明」。複数の照明を組み合わせて空間の照明計画を立てることです。

ダイニングの照明計画

たとえばダイニングルームの場合、テーブルの上部に主照明のシーリングライト等を設置し、壁面や飾り棚などに別途照明を計画すれば、空間にアクセントが加わります。照明は明るくすればいいというものではなく、その光量や色によって心安らいだり、作業効率がアップしたり、集中力が増したりするなど、人は光に左右されるもの。だからこそ「一つの照明で賄う」のではなく、生活シーンを想像し、それに最適な照明を選ぶ(組み合わせる)ことをお勧めするのです。また、調光機能の付いた照明を選ぶのもいいでしょう。

照明にはダウンライトや一点を照らし出すスポットライト、壁面を飾るブラケット、さらにはテーブルやソファの横に立てるスタンドライトなど、さまざまな種類があります。たとえば普段はシーリングライトで明るい空間で生活していても、夜には電気を落とし、間接照明だけにすることでゆったりとした気分が味わえます。夫婦でグラスを傾けるのも素敵ですね。

また壁に飾った絵画にスポットライトを当てるとおしゃれですし、ニッチ空間に照明があるだけで、そこに飾る小物がとても映えます。備え付けの照明は家を建てた後に変更するのが容易ではありませんから、家具の位置なども決めたうえでしっかりと照明計画を立てましょう。

ダウンライト

ダウンライト

スポットライト

スポットライト

ブラケット

ブラケット

スタンドライト

スタンドライト

間接照明

間接照明

ニッチ照明

ニッチ空間の照明


まとめ

いかがでしたか。照明計画よって空間の雰囲気がまったく変わることや、暮らしやすさに影響することが理解できたと思います。 まとめとしては、

  • 照明には主に「白熱灯」「蛍光灯」「LED」がある
  • ランニングコストや設置場所も考慮し、照明を選ぶ
  • 照明計画で暮らしやすさ、心地よさは大きく変化する
  • 「多灯照明」で空間にアクセントをつける

最近は、有機EL照明というものも出始めています。これは基本な原理はLEDと変わりませんが、面光源で拡散光、薄くて軽いという特徴を持っており、たとえば壁一面を照明にするなど、新たな可能性に期待が寄せられています。照明はシャンデリアに代表されるように、デザインも多彩。ぜひあなたの感性、そして素敵な暮らしを照らし合わせ、素敵な照明計画を立ててください。