DINKsの方、子どもたちが巣立って終の住処をと思っているシニアの方の中には、「平屋」を検討する人が少なくありません。平屋は伸びやかな空間を生み出し、上下階への移動もないことから、特にシニア世代は安全面や快適面でメリットを感じることが多いようです。
もちろん、それなりの空間面積を持つ平屋を実現しようということになれば、敷地面積の問題も生まれますが、楽しく、安心して過ごせ、子どもたちや孫たち、ゲストがたまに訪れたときには、ゆとりをもって迎え入れて賑やかに過ごすことができる平屋は、夫婦2人にとってまさに打ってつけの住まいのカタチと言えるでしょう。
ここでは夫婦2人で暮らす平屋をつくることの利点(メリット)を中心にお伝えしていきます。もちろん注意する点もありますので、それらも押さえながら記します。ぜひこの記事を参考に、DINKs・シニアの平屋を検討してください。きっとこれからの新しい暮らしが、より素敵なものになるはずです。
目次
利点(メリット)その1:伸びやかなワンフロア
夫婦2人だけの暮らしですから、部屋数はそんなに必要ではなく、間仕切りの必要性もあまり感じられないと思います。もちろん夫婦であっても最低限のプライバシーは尊重し合うべきですが、気心の知れている分、ぜひ伸びやかなワンフロアの設計を検討しましょう。
2階以上の空間は存在しません(小屋裏スペースを除く)から、暮らしはワンフロアの中で完結させることができます。ワンフロアでの暮らしの利点は、次の通りです。
- 階段の上り下りがないので安全(家全体がバリアフリーに)
- 生活動線が機能的(どこに行くのにもアプローチしやすい)で、家事がラクになる
- どこにいても家族の気配が感じられて、安心感が生まれる
- 程よい距離感も保たれる
- ワンフロアなので掃除もラクに
- 間仕切りが少ないので、空間に室温ムラが起きにくい。ヒートショックから身を守ることも可能となる
今は元気であっても、年齢を重ねるほどに体力は衰えます。認めたくはありませんが、反射神経も鈍ってきます。思わぬところで躓いたり、階段の上り下りも億劫になり、結果として「上階にはまったく人が上がらなくなる」ということになるのです。その点、平屋はワンフロアで平坦ですから、家事動線もラクになり、安心・快適に暮らし続けられます。
利点(メリット)その2:リビングとつながるテラス空間
日々の暮らしを伸びやかに暮らすということはもちろんですが、リビングとつながるようにテラス空間を設けると、子どもたちや孫たち、友人たちが集った時に、ゆとりを持って迎え入れることが可能となります。
テラスはリビングと庭をつなぐ役目を果たし、テラスでくつろぐときはもちろんのこと、室内にいても豊かな自然を感じられます。そしてテラスは多様な使い方ができ、暮らしをより愉快にしてくれます。テラスを設けることで手にできる利点は次の通りです。
- くつろぎの場として読書やお茶、お酒などを、自然を感じながら楽しめる
- 四季の移ろいが感じられる。月見など、季節ごとの楽しみが味わえる
- 心からリラックスして、何もしない贅沢を手にすることができる
- 室内と庭をつなぐ場所として、家庭菜園で収穫した作物を洗ったり、洗濯物を干したりする場所として活躍してくれる
- 孫が安心して遊べる空間
- ペットも気持ちよく過ごせる、水浴びやブラッシングなども気兼ねなくできる場所
- 子や孫、友人たちとBBQを楽しむ場として
- 日曜大工など、趣味を楽しむ空間として
- 室内にいても視覚的な広がりが感じられ、実際の広さ以上の開放感が得られる
テラスがあるだけで、このように暮らしの豊かさが広がっていきます。室内とは違い、そして完全な外空間の庭とも違うテラスは、インドア・アウトドアの両方の要素を受け止めてくれますから、アイデア次第でまだまだ用途は広がることでしょう。
利点(メリット)その3:畳の部屋を設ける
ワンフロアで間仕切りが少なく、居室数も少ない平屋。空間設計はどうしても単調になりがちで、そうなると生活の仕方に制約が生まれてくる懸念が生まれます。そこで提案したいのが、「畳の部屋」を設けること。畳コーナーがあるだけで、住まいの機能性はグンとアップします。
たかが畳、されど畳です。日本人にとって馴染み深い畳は、さまざまな暮らしのシーンに柔軟に対応してくれる優れものなのです。では、畳の部屋(コーナー)があることで生まれる利点をお伝えしましょう。
- 子どもや孫が泊まる客間として活用できる
- 畳のうえでゴロンと昼寝。「座」の心地よさが心に宿っている日本人にとって、何とも心地よい空間となる
- 洗濯物の室内干しの空間として。洗濯物を畳んだり、アイロンがけをする場所として
- 趣味の部屋として。特に茶道や生け花、書道など、和のたしなみには打ってつけ
「洋の空間」も素敵ですが、このように畳の部屋(コーナー)は、いろんな使い方ができる場所なのです。もし畳がないとすると、どこで洗濯物を畳むのでしょう。どこで座(床面)を楽しめばいいのでしょう。西洋式の暮らしに慣れた私たちですが、ぜひ畳空間は採り入れたいものです。
利点(メリット)その4:ロフト(小屋裏空間)の利用
平屋は天井を高くすることが可能です。その縦のゆとりを利用して、「ロフト(小屋裏空間)」スペースをつくることができます。ロフトは、普段使いしないものや季節外れの衣服などを収納するのにとても便利な場所です。また、趣味の部屋、大人の隠れ家としてロフトを利用すると、暮らしにより楽しみが増えます(法規制等に関しては「暮らしが便利になる、おしゃれになる、ロフト収納アイデア8選」を参照ください)。
ただシニア世代の場合、ロフトへの上り下りは、固定階段を採用することをおススメします。固定階段なら手に荷物を持った状態でも比較的安全に昇降できますが、ハシゴをかけるタイプだと、危険度は一気に増してしまいます。またハシゴをかけるタイプは使ううちに面倒になりがちで、結果、せっかくのロフトを使わなくなってしまうことにもつながります。ロフト(小屋裏空間)を設けることの利点は次の通りです。
- 収納力が高まる
- 思い出の品や捨てるに捨てられないものなどを、生活空間から視線の届きにくい場所に整理整頓できる
- コレクションを飾るギャラリーとして
- 本を読んだり、調べものをしたり、仕事を片付けたりする書斎として
- 趣味の部屋、自分だけの時間を愉しむ、秘密基地として
このように、ロフトと言うちょっとした空間をプラスしておけば、暮らし方に変化をもたらすことが出来ますし、ゆとりある収納場所としても活用できます。夫婦中仲がとても良くても、お互いに自分の時間も大切にしたいもの。そんなとき一人になれるロフトは、大活躍してくれます。
利点(メリット)その5:発電量に違いが出る平屋の太陽光発電
太陽光発電システムを採用することも、ぜひ検討したいポイントの一つです。太陽光発電を行い、住まいをオール電化にすれば、実は安全性も増すのです。ガスなど火を使う調理器具は、年齢を重ねるごとに「着衣着火」の事故が増えがちだからです。
もちろん、平屋における太陽光発電システム採用のメリットはそれだけではありません。次にそれら利点を見ていきましょう。
- 平屋は2階・3階建てに比べて屋根面積が大きいため、その分、太陽光発電システム(パネル)をより多く積載することができ、結果として多くの発電が見込める
- 自宅で使いきれなかった電力は電力会社に売電することで、光熱費削減に貢献することができる
- 使用した電力よりも売電量が多くなれば、その分、収入になる。年金生活の補完にもなる
- 自然災害などにより、停電になっても、発電量の分だけは電力が賄える
- オール電化により、安全性が増す。IHクッキングヒーターなら着衣着火などの危険から身を守ることができる
太陽光発電システムを検討される方は、上記のようなメリットが手にできますので、ぜひ参考にしてください。売電への期待だけでなく、Co2削減による社会的貢献も果たせますし、さらにやはり安全性は手にしたいもの。広い視野で検討してみてください。
まとめ
いかがでしたか。DINKs・シニアの平屋のまとめとしては、
- ワンフロア設計は、伸びやかに、安心感を得ながら生活できる
- テラス空間は用途が多様で、暮らしをより楽しくしてくれる
- 畳の部屋は、くつろぎや趣味、来客にと大活躍
- ロフト(小屋裏空間)は、収納として、隠れ家として利用
- 太陽光発電システムは、売電だけではなく、シニアにとって大切な安全な暮らしも手にできる
夫婦2人だけの暮らしですから、敷地条件さえ合えば平屋はとても魅力的だと思います。そんな平屋をさらに快適に、安全に暮らすための工夫・アイデアを、各ハウスメーカーは商品プランに組み込んで提案しています。興味がある方はカタログなどを請求し、比較・検討するのもいいでしょう。