真っ白な漆喰の壁に黄褐色の丸みを帯びた瓦が、やさしく、かわいらしい「南欧スタイル住宅」。時代に左右されることなく愛され続ける、美しい佇まいの一つです。そんな憧れの南欧スタイル住宅を、より素敵にコーディネートしたいと思うのは、誰でも同じことでしょう。そこで今回は、“美しい街並みからヒントを得るコーディネート術”として、スペイン・ミハスの街を参考に、お話ししていきたいと思います。
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ちょっと加えるだけで、よりおしゃれに、かわいらしく
南欧スタイル住宅を建てる場合、漆喰の塗り壁にスパニッシュ瓦がセットとなる場合が多いようです。もちろん塗り壁でない場合もありますし、スパニッシュ瓦を用いないこともありますが、「白と黄褐色の組み合わせ」は、この住宅の特徴として外すことはできないものと言えます。
そこに“ちょっとした工夫” “プラスαの要素”を加えてみましょう。そうすることで、“よりおしゃれで、よりかわいらしい”住まいが誕生します。もちろん予算もありますから、すべてを採用できなくても、ワンポイント加えるだけでも差が生まれますよ。
【屋根】色合いにひと工夫することで“時を超えたいい味”が生まれる
写真は、ミハスの街並み、そして建物です。やさしさやぬくもりがあり、どこか懐かしさも感じさせる佇まいです。そんな素敵な雰囲気を醸し出す一つの理由が「屋根」にあります。ミハスの建物の屋根は、どれも色合いが微妙に異なり、濃淡が入り混じっています。それが“時を超えたいい味わい”を生み出し、佇まいに深みと懐かしさを与えているのです。
これが同一色で統一されていると、逆に“新しさ”を感じさせます。もちろん好みもありますから、どちらがいいとは言えませんが、エイジング加工やアンティークといった雰囲気が好きな方なら、瓦の色合いをミハスの建物のようなランダムに仕上げることをおススメします。
【壁】白いキャンバスには鮮やかな色が似合う
次に壁を見てみましょう。やはり漆喰の塗り壁は素敵ですね。微妙な凹凸があり、それが太陽の光を受けて輝いたり、陰影がついたり。南欧スタイル住宅の“本物感”にこだわるなら、ぜひ漆喰の塗り壁を検討しましょう。
南欧スタイル住宅の壁は、まさに真っ白なキャンバスです。そこにちょっと絵の具を足すようにして、ぜひ素敵にコーディネートしてください。ミハスの家々では、その多くにフラワーボックスが置かれ、可憐な花を咲かせています。この時のポイントは、「白い壁に原色合わせる」こと。こうすることでコントラストやアクセントが生まれ、リゾート感が演出されます。
【玄関まわり】漆喰には木を合わせて。カラーリングという手法もアリ
続いて玄関まわり。玄関と言えば、やはりドアですね。南欧スタイル住宅のやさしく、素朴な雰囲気を醸し出すには、やはり木製ドアが最適です。ドアの色合いが深ければ落ち着いた印象に、明るめならば軽やかなイメージに仕上がります。木製が無理なら、「木調」のドアを選びましょう。
壁の解説で、「白に原色」とお話ししましたが、思い切って玄関ドアをカラーリングするというのも個性があって素敵です。ミハスの街では珍しくないこと。窓をカラーリングするのも一つのアイデアです。とはいえバランスは大切。あまり色を使いすぎると、建物がうるさい印象になってしまいます。「もう少し色があったほうがいいかな」と思うくらいで止めておくほうがいいようです。
住所や表札を写真のようにすると、海外の住宅やカフェっぽくなっておしゃれですよ。でも、これも控えめに。あまりやりすぎるとお店と間違えて人がやってくるかも知れませんから。
【アイアン＆アプローチ】アイアンはシンプルに、アプローチは飾る
南欧スタイル住宅には、アイアンがよく似合います。ミハスの街の住まいを見てみると、アイアンはどれもシンプルなデザイン。そして色は黒です。建物の素朴な雰囲気を損なわないように、あまり華美なデザインは採用せず、白壁に映える黒を用いています。写真のように曲線を使うとかわいい印象に仕上がります。
ミハスは街の小径もおしゃれです。タイルを用いて装飾がなされ、楽しげな雰囲気が広がっています。このアイデアをぜひいただきましょう。門扉から玄関までのアプローチや玄関の床などを飾れば、南欧スタイルがぐっと増します。
また、壁にプレートなどの雑貨をかけるのもアクセントになります。外壁が難しければ玄関や室内に。日々の暮らしが南欧テイストになって、気持ちも晴れやかに過ごせることでしょう。
まとめ
いかがですか？ 家をコーディネートする際は、このように実際に建つ家と街並みを参考にするといいでしょう。家単体だけ見て計画すると、周囲との調和がはかれなくなることもあります。南欧スタイル住宅を検討する際にミハスのような街並みを見渡すと、全体のバランスや家づくりのアイデアに気づきます。ぜひ、上記のコーディネート術を参考に、素敵な家を生み出してください。