今やインターネットは仕事だけでなく、日々の暮らしにおいても欠かせないもの。さらに最近、注目を集める在宅ワークを快適にこなすためにも、新しく家を建てる際には、ネット環境をしっかりと計画・整備することが求められます。今回は、そんなネット環境整備で失敗・後悔しないための注意点をお伝えしたいと思います。
目次
「今は必要ない」は失敗のもと！ 将来を見据えて計画しよう！
「今は携帯電話で十分間に合っているので、ネット環境は必要ない」「あとで工事すればいいだけ」。そう思っているあなたは要注意です。確かに今のあなたにとっては必要ないものかも知れません。でも、将来、家族が増えてネット環境が必要になったり、在宅ワークをすることになることもあり得るのです。もしLANケーブルを後から敷設しようと思うと、とんでもなく高い工事費や時間、労力がかかってしまいます。ネット環境は、将来も見据えて計画しましょう。
ルーターなどの機器やケーブルを隠してスッキリとした暮らしを！
ルーターやWi－Fiの中継器、ケーブルなどがむき出しになっていると空間がごちゃごちゃした印象になってしまいます。ぜひ、それらを収納する場所を設けたり、隠す工夫を行いましょう。ちなみにあまり密閉された空間だと熱がこもってしまうので、ある程度の広さで換気もできるようにしておいてください。
通信速度に要注意！ 下りだけでなく、上りも重視すること！
快適なインターネット環境を生み出すには、通信速度が重要です。通信速度には「上り」と「下り」があり、上りはメールや画像、動画などを送信したり、アップロードするときの速度。逆に下りは受信したり、ダウンロードするときの速度です。一般的に下り（ダウンロード）のほうが早く、上り（アップロード）には時間がかかります。これまでの暮らしでのインターネット使用は、YouTubeを観たり、オンラインゲームを楽しむくらいでしたから、下り速度5〜7Mbpsもあれば十分でした。しかし今後は在宅ワークでテレビ会議をすることも増えるでしょうし、動画をYouTubeなどにアップロードする機会もありそうです。それらをストレスなく行うには、上り下りとも常時50〜100Mbpsの速度が必要となります。
ネット回線には固定の光回線やケーブルテレビ回線、ポケットWi－Fiなどのモバイル回線がありますが、光回線は上り下りとも最大で1Gbpsで、新築時には一般的に選ばれているもの。とはいえ最大で1Gbpsはあくまでも理論値ですし、手軽に持ち運べるポケットWi－Fiなら屋外でも使用できるメリットもありますから、各社のプランや使い勝手をよく比較し、評価も調べながら決定しましょう。
工事には時間がかかる！ 早めに住所登録をしておこう！
インターネットを光回線にする場合、光ファイバーの引き込み工事が必要となります。通常は申し込んでから2週間から4週間ほどで完了しますが、3月や４月などの“期が変わる”時期は引っ越しが多く、１カ月以上待たされることもしばしばです。さらに新築の場合は、特に時間がかかるもの。理由は、「住所が確定していない」からです。
住所が確定していないことには、光回線が使用可能かどうかの検索ができませんし、工事にも行けません。建物の外観が完成し、玄関の位置が分かれば住所の確定ができますので、忘れずに「ハウスメーカー・工務店に住所確定申請の依頼」をしておきましょう。ちなみに住所登録だけで２～３週間かかります。工事も含めると１カ月半は見ておきたいので、「ネットが使えない！」とならないように早め早めに動きましょう。
有線LANも要検討！ 中継器よりもメッシュWi－Fiがおススメ！
室内でインターネットを使用する場合、有線LANもしくは無線LANで使用することになります。有線LANはケーブルで直接つなげるため、通信速度の劣化が少なく、安定性に優れます。一方、無線LANの場合、パソコンなどのデバイスを無線の届く範囲ならどこに持って行っても使えますので、とても便利です。
そこでおススメなのが、書斎などパソコンを使用する場所が決まっているところや動画をよく観るTV周りは有線LANにし、それ以外は無線LANで対応する方法です。有線LANは配線工事が必要となりますので、事前に空間設計・設置場所の決定をしっかりと行うことが求められます。一方、無線LANの場合、ルーターから離れたり、壁などの障害物が多くなると無線が届かなくなります。その場合、中継器を設けて届く範囲を広げるわけですが、中継器を介すとその都度、速度が劣化してしまいますので、できればメッシュWi－Fiを採用しましょう。詳細は専門的になりますからは省きますが、中継における通信劣化がなく、快適なネット環境が保たれます。
まとめ
いかがでしたか？ 先にも述べていますが、有線LANの場合、「あとから工事をする」となると大変な費用がかかってしまいます。「今は有線LANは必要ない」と思う方でも、多少コストがかかっても新築時にLAN配線だけは行ってくことをおススメします。
在宅ワークを視野に入れる方は、ネット環境整備とともに、在宅ワークに適した間取り・書斎の工夫も重要です。それについては別途、参考になる記事を用意していますので、併せてお読みください。