ハウスメーカーと工務店の工法・構造の違いを比較し、検討しよう!

ハウスメーカーの工法

さて、ここでは家をつくるための「工法・構造」のお話をします。男性は比較的、工法・構造に興味を持つのですが、女性は「まったく興味なし」という方がほとんど。女性はそんなことよりも、どんな暮らしが実現できるのかやキッチンなど、いわば“自分のお城”づくりのほうに興味津々なのですね。 でも、この「工法・構造」の知識を頭に入れておかないと、後で「わたしが思い描いている空間(お城)が実現できないの? トホホ…」ということにもなりかねません。この記事ではあまり専門的にはなり過ぎず、基本的な知識&比較をお伝えしていきますので、ぜひご一読ください。 それでは、「工法・構造」のお勉強タイムのはじまり、はじまりです。

日本の住宅の8割が木造。加工がしやすいのでほとんどの工務店が木造

そもそも「工法・構造」とはなんぞや?という方に対してご説明しますと、構造とは「その家の骨組みは何であるか」ということ。木なら木造、鉄骨なら鉄骨造ということです。

日本の家づくりの工法・構造は、大きく分けて、この「木造」「鉄骨」になります。では、それぞれの基礎的な特徴を見てみましょう。

木造

  • 木なので加工がしやすい。
  • 木なので鉄骨に比べ、家の重量が軽い。
  • 軽い分、基礎・地盤に与える影響は鉄骨ほどではない。
  • 日本の家屋はもともと木造(木造軸組工法)で、その技術(施工方法)を受け継いできた工務店は、ほとんどが木造で家を建てている。
  • 日本の住宅の8割が木造。

鉄骨造

  • 鉄を使用するので加工は容易ではない。
  • 木の家に比べると重量は重い。
  • 重量が重い分、木の家に比べて、基礎・地盤に配慮が必要。
  • 鉄骨造ならではの施工ノウハウが必要なので、大手ハウスメーカーや一部工務店しか手掛けない工法。
  • シェア(比率)は2割以下。

どっちの工法・構造がいいの? 3つのポイントから好みを選ぼう

おそらく初めて家を建てる人は、次のようなイメージを持っていると思います。

「鉄骨造は、鉄だから強くて、地震が来ても安心!」
「木造は火災になったら燃え尽きてしまう」
「鉄骨造は冬が寒くて、夏が暑い!」
「木造は、木の香りとぬくもりがあって心地いい!」

正直なところ、正解もありますが、誤解もたくさん入り混じっています。ここで一つひとつメリットやデメリットを出して比較するといいのでしょうけれど、それをすると間違いなくあなたは“迷う”ことになりますし、“何が何だか分からない”という事態に陥ると思います。

なぜなら、たとえば鉄骨のある点をデメリットと指摘したとしても、ハウスメーカーによってはその弱点を研究し、克服していたりします。ですから「木造はここがよくて、鉄骨はここがダメ」などと総論で語ることは少々、危険なのです。

ですので詳細な解説は、いずれまたの機会にすることとします。 では、どの観点で「木造」か「鉄骨造」かを選べばいいのでしょうか。 そのポイントは3つ。 「耐震性」と「コスト」と「空間設計の自由度」です。

耐震性

「鉄骨造は、鉄だから地震に強くて、木の家はちょっと心配」。
先ほど示したイメージと同様、このように考えている人は少なくないようです。でも、これは大きな誤解。

耐震性:鉄骨造=木造

つまり、「鉄骨造」「木造」の違いによって耐震性に差が出ることはありません。

なぜなのでしょうか?

それは地震が起きたときに家にかかる力である「地震力」に秘密があります。この地震力は、家の重さに比例します。家が重ければ重いほど地震力は大きくなるのです。鉄骨造は重いですから、その分、地震から受ける影響も大きくなるわけですね。よって、2階建て程度の家ならば、木造であっても耐震性はしっかりと担保でき、耐震性:鉄骨造=木造という図式が成り立つのです。

ただし、「住宅会社を選ぶ」ページの「ステップ1 視点4 安全性」でもお伝えしていますが、ハウスメーカーは安全性に対し、研究・開発を重ね、家づくりにフィードバックしています。現在、住宅性能表示制度では、耐震等級3が最高ランクですが、ハウスメーカーでは、それを超える耐震性を有する家を提供しています。このように耐震性は、鉄骨造=木造とは言えますが、個別比較すると違ってくる場合もあることを理解していきましょう。

コスト

次にコストを見てみましょう。「鉄を使うのだから、当然、木よりも高くなるだろう」とお考えの方。その通り、正解です。

コスト:鉄骨造 > 木造

もちろん檜や銘木を使用したなら話は別ですが、鉄骨造は、材料費も木に比べると高く、重さの違いや施工方法の違いからも、木造と比べてコストはかさみがちです。ただし、スケールメリットを生かせるハウスメーカーは、コスト低減努力がかなり進んでいるとも言えます。

空間設計の自由度

家は、天井や屋根を柱で支えなければなりません。したがって天井や屋根が広いと重量は必然的に重くなり、支える柱の本数や太さにも影響を与えます。間取り、空間設計を考える際、多くの方が「柱のない広々とした空間が欲しい」と言われます。でも、構造材の耐力が鉄骨より弱い木は、柱を鉄骨よりも多く用いる必要があります。

よって空間設計の自由度という点では、鉄骨造のほうが有利です。

空間設計の自由度:鉄骨造 > 木造

でも、ひと言で木造といってもハウスメーカー各社はさまざまな技術開発を行っており、鉄骨造と遜色のない空間設計自由度を誇る工法を有しています。残念ながら工務店にはそこまでの研究開発はできないため、鉄骨造と同様の大空間を実現することは難しいと言わざるを得ません。

また、将来のリフォームですが、「鉄骨造はリフォームができない」と思い込んでいる人もいるようです。確かに木造ほど自由度は大きくありませんが、鉄骨造の特性を生かし、大空間をつくっておけば、将来、それを細かくセパレートして居室を増やすことが容易にできます。

工務店の工法・構造

伝統的な木造軸組工法を採用する工務店

木造軸組工法とは、日本で古くから用いられてきた伝統工法を、近代の構造力学などを採り入れ、発展させた工法のことを言います。ツーバイフォー(2×4工法)などと比べて、間取りの自由度が高いのが特徴です。増改築も容易なこともあり、地域密着型の小さな工務店の多くは、この日本の伝統的な流れを汲む木造軸組工法を採用しています。

フランチャイズシステムに加盟する工務店

フランチャイズシステム(FC)とは、商品やサービスなどに特徴を持つ企業が、チェーンに加盟する独立店に対して一定地域内における独占販売権を与え、経営方法の指導などを行うことを言います。その対価としてFC本部は、加盟店から看板料や指導料を徴収するのです。

注文住宅におけるフランチャイズシステムは、資本力・ノウハウが乏しく、新商品開発や流通の効率化を図れない工務店が、資材・建材の調達コストを抑えるとともに耐震性など住宅性能を向上させるため、大手資本や建材メーカーが企画したFCに加盟するというもの。加盟することで商品企画や資材調達、経営アドバイスなどの支援を受けます。

工務店にとっては、自社では困難な新商品の開発やテレビ、ラジオ、新聞などを使った広告宣伝を本部が行ってくれることは大きなメリットで、さらに統一規格でつくられた資材を、決められた施工手順でつくることで品質の安定化が図れるという利点があります。

主なFCを紹介します。

メーカー名・ブランド名 工法
アイフルホーム グランドスクラム構法
クレバリーホーム プレミアムハイブリッド構法
LIXIL スーパーウォール工法
ジャーブネット 木造軸組工法
ロイヤルハウス ロイヤルSSS構法
Panasonic  テクノストラクチャーの家
FPの家 FP工法

ハウスメーカーの工法・構造

木造系を採用しているハウスメーカー

メーカー名・ブランド名 工法
積水ハウス・シャーウッド シャーウッド構法
セキスイハイム・グランツーユー 2×4/2×6ユニット工法
ダイワハウス・グランウッド グランウッド構法
住友林業 マルチバランス構法
ビックフレーム構法
ミサワホーム 木質パネル接着工法
パナホーム・アーティム パナホーム木造
三井ホーム プレミアム・モノコック構法
一条工務店 木造住宅
スウェーデンハウス モノボックス構造
セルコホーム ツーバイフォー工法
ヤマダ・エスバイエルホーム SxL構法

鉄骨系を採用しているハウスメーカー

メーカー名・ブランド名 工法
積水ハウス 鉄骨住宅
セキスイハイム ボックスラーメン構造
ダイワハウス 鉄骨住宅
ヘーベルハウス 重鉄・システムラーメン構造
パナホーム 鉄骨住宅
ミサワホーム 鉄骨住宅
トヨタホーム 鉄骨ラーメン構造

まとめ

木造と鉄骨造の基本的な違いが分かり、比較も出来たことでしょう。工法・構造を選択する際に重要なのは、「3つのポイント」での比較です。これから実現したい部屋の大きさや天井高など、そのこだわりをしっかりと整理・整頓し、“自分の好みに合わせて”選びましょう。